潰れる大学・生き残る大学…私立大では早稲田が圧倒的に優れていると言える「納得の理由」
1週間に1つのペースで大学が閉鎖
2024年4月26日の『ワシントンポスト』に「現在、1週間に1度のペースで大学が閉鎖されている。学生たちはどうなるのか?」という衝撃的な見出しが躍った。 【写真】早慶、上智、明治…史上初の学部別「序列ランキング」を全公開する! ボストン近郊のニューベリー大学の入学者数は、この20年間でおよそ5300人から600人に減少した。同大学の3年生、ルカ・フェルナンデスは授業料を支払うためのローンを組んでいたが、閉鎖が決まって憤っている。彼は将来への不安を覚えながら、他大学に移ることを希望。病院で患者のコーディネーターとして働きながら、カネを作っている。 今日、米国では4年制大学の10校に1校が財政危機に陥っており、今後も潰れていくのは自明だ。畳んだ大学に通っていた学生の7割が、ほとんど、あるいはまったく学校の業績不振を知らされていなかった――。そんな事実が記されていた。 5月1日の『フォーブス』も、「新型コロナウィルスの影響によるパンデミックの対処が嵩む中、さらに2つの大学が閉校を発表」なるタイトルで、消えていく大学の実情をレポートした。資金不足により、運営不可能となる学校が後を絶たない。セント・キャサリン大学の学長であるフランク・パパテオファニスの発言が紹介された。 「尋常ではないインフレ、予想を上回る昇給、学生への高額な金銭的援助などが挙げられます。こうした理由によって、全米で多くの小規模な大学が閉鎖に追い込まれました。理事会と私は、継続の可能性を必死で検討しました。とはいえ、残念ながら、解決策は見出せません。弊大学は破産申請をするしかなかったのです。ただ、あらゆるチャンスを探し続けます」 セント・キャサリン大の扉が閉じられたのは、5月18日のことであった。 米国社会では、日常的に転入が行われる。「A大に入学したが、もっと専門的に〇〇を学びたい。それにはB大のほうが適切だ」とか「今いる大学より、グレードの高い大学で卒業証書を得たい」と感じた学生は、足早にそちらに移る。あるいは日本の短期大学にあたるコミュニティカレッジを2年かけて卒業した後、4年制に編入することも普通にある。 毎週のように大学が消えていく現状は深刻だ。『フォーブス』は、こうした様を太鼓の音が鳴り響くようだ、と表現した。