岸田派「宏池会」解体後の人間関係は変わったのか 官房長官が陥りがち「官邸病」への向き合い方は
■派閥解体でも人間関係が消えないのは自然なこと 青山:岸田派という派閥は岸田さんが率先して解散されましたが、総裁選で林さんを支持した議員はほとんどが岸田派だった面々で、派閥候補的な存在だった。この点の「矛盾」を指摘する声もありましたが、どう受け止めていましたか。 林:ずっと30年近くこの仲間内でやってきたので、派閥がなくなったからといって「もう知りません」という関係性ではありません。単に一緒にいたというだけでなく、政策を一緒に進めたりしてきたわけで。その中での人間関係が残っているのは、ごく自然なことかなと思います。
青山:振り返ってみると、宏池会、岸田派の結束力は非常に強いですね。いまだに岸田さん、林さんの関係性も強いと感じます。宏池会の独特の体質、性質があるのでしょうか。 林:もともと宏池会に入る人は政策的に近いものがあると思います。歴史をたどれば、自由党と民主党が一緒になって自由民主党ができたわけですが、(宏池会は)自由党の系譜を引いています。「政策集団」と標榜してきただけあり、やはり政策をやっていくうえでのつながりは強い。ずっとそういうものだろうと思ってやってきました。
青山:いつ内閣不信任案が通るかわからない状況の中で”ポスト石破”は誰なのかと考えたときに、本人の前だから言うのではなく、「林さんだろう」という声が自民党内にいちばん多いんです。 もし石破さんが変わるとすれば、自民党にとって緊急事態といえる状況なので、単なる刷新観だけではなく安定感も重視されるでしょう。こうした声については、林さんは認識されていますか? 林:まったくそういう認識はありません。メディアの方からはそういう話も聞きますが、今官房長官として石破さんを支えていて、石破政権がしっかり回っていくようにすることに責任を負っている立場なので、その仕事をしっかりやり遂げることしかないと思っています。