人口減少や高齢化… 地銀×スタートアップの連携で生まれる“新たな価値”【WBS】
人口減少や高齢化といった課題を抱える地方の銀行は、スタートアップと連携することで、地域に新たな価値を生み出そうとしています。都内で開かれた地銀とスタートアップのマッチングイベントを取材しました。 全国56の銀行や銀行系のベンチャーキャピタルと150社以上のスタートアップが参加したマッチングイベント「BANK SUMMIT 2024」。ただ、登壇してプレゼンテーションしていたのは、投資を受けたいスタートアップではありません。 「われわれが有しているファンドはメインのファンドが30億円で、大学発ベンチャー専門の70億円のファンドです」(「西日本シティ銀行グループ」NCBベンチャーキャピタルの原田和幸さん) 「スタートアップの持っているサービス・アセット(資産)と、地域金融機関の持つ地域のネットワークをかけ合わせて、一緒に地域の活性化に資する」(「十六銀行グループ」NOBUNAGAキャピタルビレッジの太田匡紀さん) 地方銀行側が3分の制限時間で、自社が手がける投資の規模や内容、今後スタートアップと組みたい分野などをアピールしました。 イベントを主催する「ザシード」の宮城圭介さんは、スタートアップと地方銀行が結びつく意味合いについて「地域のいわゆる活性化の部分や、スタートアップが成長する一番大きな要因になる」と話します。 プレゼン後に開かれた交流会。先ほど登壇していた太田さんは、岐阜県などで十六銀行を展開するグループ傘下の投資会社「NOBUNAGAキャピタルビレッジ」の担当者です。太田さんのもとにスタートアップが声をかけに来ていました。 「どういった企業の方ですか?」(竹﨑由佳キャスター) 「私はスタートアップの側でリバースピッチ(プレゼン)を聞き、ぜひ連携したいと」(「ケアメーカー」の山村真稔代表) ケアメーカーは東京で訪問看護や介護向けのサービスを提供する企業で、東海地方への進出を進めていますが、壁があるといいます。 「地場のネットワークにおいて新参者がいきなり入っていくのは難しい。地場に根差した取り組みをする銀行と協力できるとありがたい」(山村代表) スタートアップが縁のない土地で事業を始めて成長していくために、その土地をよく知る地銀による支援を求めているといいます。 一方、地銀側にも参加した狙いがあります。 「人口減少や地域企業が衰退していくケースがある中、スタートアップの力を借りて雇用を新たに生んだり、地方の課題解決に取り組んでいきたい」(太田さん) 今、地銀にはこうした地元以外のスタートアップと連携して、地元に雇用や産業など新たな価値を作る役割が求められています。 「こうしたマッチングは今後、増えていくのか」(竹﨑キャスター) 「増えていくと思う。銀行と連携して事業が伸びた事例が増えているので、全国の地銀の方々がこれから力を入れてくるのではないか」(「ザシード」の宮城さん) ※ワールドビジネスサテライト