小芝風花&大島優子のコンビがまた見たい…ドラマ『GO HOME』最終回の真の主役とは?
ドラマ『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系)が最終回を迎えた。本作は、“名もなき遺体”の身元を特定し、家族の元に返すために小芝風花&大島優子のバディが奔走する、ミステリー×ヒューマンドラマ。今回は最終話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】 【写真】小芝風花&大島優子の最高の笑顔…貴重な劇中画像はこちら。『GO HOME~警視庁身元不明人相談室』劇中カット一覧
最後まで“名もなきご遺体”に寄り添った『GO HOME』
ついに『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系)は9月28日に最終回を迎えた。正直に言うと、“最終章”を謳っていた前回の第9話には少し違和感があった。 『GO HOME』は身元不明の遺体を関係者の元へ帰すため、三田桜(小芝風花)と月本真(大島優子)の女性バディが奮闘するミステリー×ヒューマンドラマ。亡くなった人の人生を丁寧に振り返り、そして残された生きている人に寄り添うような温かさが持ち味だった。 しかし、第9話では主要キャストであった堀口(戸次重幸)が事故で亡くなっただけではなく、突如として公安という大きな組織と戦うストーリーが持ち上がった。これまでの8話から大きくテイストが変わってしまった気がして、戸惑いがあったことは認めざるを得ない。 かくしてやや不安な気持ちで最終回を迎えたわけだが、それは杞憂に終わり、「このドラマのこんなところが好きだったんだ」と思い出させてくれるような約1時間となっていた。
最終回での真の主役とは
まず前回からつながっていた堀口の弔い合戦としての公安部長・佐川(杉本哲太)との戦いでは、不慮の死を遂げた堀口の無念を晴らすため、身元不明人相談室が動き出す。一度は上からの圧力に屈し、追い詰めることはかなわなくなったかと思われたが、堀口の周囲の人間の協力もあり、動かぬ証拠を突きつけることに成功する。 すると、佐川は堀口の戸籍偽装の全責任を認め、公安部長を退任。第10話開始から20分程度で、あっさりと“ラスボス”との戦いに終止符が打たれることに。あくまでも『GO HOME』は権力との戦いを描きたいわけではなく、最後まで身元不明の遺体が主軸であることが強調される。 最終回での真の主役は、桜の命の恩人。自ら命を絶とうとした桜を止めた人物は藤田昭良(尾美としのり)という名前であることが発覚する。彼もまた家族との間に問題を抱え、突然姿を消したことで妻・真知子(藤田朋子)や娘の秋桜里(富田望生)は父親を許しておらず、遺骨の引き取りを拒否するのだった。 しかし、桜が持ち前の粘り強さを発揮し、昭良が死ぬ直前に家族思い出の場所を訪れて娘のことを考えていたことを秋桜里に伝える。それを聞いた秋桜里は涙を流し、真知子は再び昭良と向き合うことを決断。桜が昭良の真意に気づいたきっかけも母・葉月(鈴木杏樹)からの手紙というのもある種の“伏線回収”だった。 桜と母の関係性はすでに第5話で描写済み。親子であってもすべてわかりあうことはできないというリアルを描いていたが、今回は一歩進んで母・葉月が娘のことを「知ろうとしなかったこと」に目を向けた。万事解決とはいかないものの、母の思いが確かに通じていることは、冷めた唐揚げを頬張りながらこみ上げるものを抑える桜の表情から確かに伝わってきた。