『放課後カルテ』はなぜ“リアルな教室”に? 松下洸平の子役たちとの接し方から分析
松下洸平が共演する子どもたちを“子役”とは呼ばない理由
そして、それは作品内の牧野先生の存在……さらに言うのであれば、演じる松下洸平の子どもたちとの向き合い方にも通じるところがあるようだ。もともと子供好きだという松下は過去に子どもたちとの共演について「ついつい可愛がりそうになるんですけど、そこは押さえて4カ月間ぶっきらぼうな牧野先生で行こうと思います」とコメント。さらに、共演する子どもたちを“子役”とは呼ばないという姿勢も明かしている。 「同じドラマに出る共演者であり仲間であり俳優なので。対等に接することでしっかりとついてきてくれる」(※)というその言葉には、年齢や経験の差を超えて、一人の表現者として向き合おうとする真摯な姿勢が伝わってくる。 このプロの俳優としての松下の誠実な態度は、作品内で牧野先生が見せる生徒たちへの向き合い方と見事に重なるのではないか。簡単に甘やかさず、対等に向き合うからこそ、そこには本物の愛が生まれる。子役であれど、現場は現場、仕事は仕事だ。かといって突き放すのではなく、一人の人間として、何よりプロの役者として誠実に向き合う。そんな関係性があるからこそ、子どもたちは安心して自分を表現できるのだろう。 もちろん、本作の原作へのリスペクトや、各役者の演技力の高さも評価すべきポイントだろう。しかしそれ以上に、松下と子どもたちが紡ぎ出す本物の信頼関係こそが、ドラマ『放課後カルテ』の中に確かに息づく愛を生み出しているのかもしれない。 参考 ※ https://www.entax.news/post/2410120500-2.html
すなくじら