配信初日から連続1位の話題作『極悪女王』で大反響、唐田えりか×剛力彩芽「人生と命を全部ぶつけて挑んだ」
プロレスというものを理解できた、2人のデビュー戦
──そういった関係性があったからこそ、千種、飛鳥が激突した二人の初対戦が感動できるんですよね。 唐田:あれは『極悪女王』のすべての試合のシーンとして、最初の撮影だったんです。みんな「どうなるか分からない」という雰囲気でやっていて。そこで、プロレスって相手の攻撃をちゃんと迎え入れたうえで受けないと成立しないことに気付きました。 そして「受ける」ということは、すなわち「逃げない」という気持ちのあらわれに繋がってくるんだって。長与千種さんが「レスラーにとっては当たり前のことでも、それを役者のみなさんがやることにこの作品の意味があるんだ。それをやろうとする魂が大事なんだ」とおっしゃっていて。あのデビュー戦では、その言葉の意味が理解できました。 剛力:あの場面って、ライオネス飛鳥にとってのデビュー戦であり、私と唐ちゃんにとってのデビュー戦だった。「今までやったことがないことをやる」という意味でリンクしていたんです。そこでリンクできたことで気持ちが乗っていけました。 なにより唐ちゃんとはトレーニングも一緒にやっていて、お互いの手の内も知っている関係でした。だからこそあのシーンでは「ここまでやってきたことを、やっと見せるときがきた」と気合いも入りました。 ■ ダンプを前に「自分が想像してなかった感情が生まれた」(唐田) ──ゆりやんさんが演じたダンプ松本の存在はいかがでしたか。試合のたびにフォークを頭に突き刺され、鎖で殴られ、血みどろにさせられて。 唐田:これは意外な感情だったのですが、松本香がダンプ松本へと覚醒するシーンでは、彼女に対して「ここまで来るのを待ってたよ」と思えたんです。香と千種は下積み時代を一緒に過ごし、そんななか、千種はクラッシュギャルズとして先に売れた。 ダンプ松本がやることにイライラするところもあったんですけど、それ以上に「やっとお前は自分の場所を見つけることができたんだな」という気持ちでしたね。それは自分が想像していなかった感情なんです。 剛力:逆に飛鳥としては、ダンプ松本が凶器攻撃をしてくるから、真っ直ぐなプロレスができなくてずっと悔しかったですね。あと、どうしても因縁的な部分でダンプ松本と千種の戦いになってしまう。「ダンプに、千種を取られた」という気持ちが湧き上がってきたんです。それってすごく人間的な感情だなと思えました。