宇宙戦略基金、本格始動–まずは5件のテーマで公募開始、第三者の審査体が評価
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月5日、「宇宙戦略基金」事業で技術開発課題の公募を開始した。2023年度補正予算分の22件のうち以下の5件が対象。 宇宙輸送機の革新的な軽量・高性能化、コスト低減技術 商業衛星コンステレーション構築加速化 月面の水資源探査技術(センシング技術)の開発・実証 月-地球間通信システム開発・実証(フィージビリティスタディ) 再生型燃料電池システム 事業規模は10年間で1兆円とみられている宇宙戦略基金事業は、「輸送」「衛星等」「探査等」の3分野で「市場の拡大」「社会課題解決」「フロンティア開拓」の3つの出口に向けてスタートアップ企業をはじめとする民間企業や大学などが最大10年の複数年度で大胆に技術開発に取り組めるよう、宇宙分野の資源配分機関としてJAXAに基金を設置して、支援する。宇宙技術戦略を踏まえながら政府が技術開発テーマを設定する。 外部有識者で構成される第三者の審査体が審査、評価して、JAXAが自らの知見や経験を生かして技術開発をマネジメントする。宇宙戦略基金事業部長は内木悟氏。プログラムディレクターは石田真康氏が務める。 残りの17件は7月中旬以降、随時公募を始める予定。ウェブサイトで案内する。7月の中旬と下旬に予定されている公募は以下の通り。 7月中旬 将来輸送に向けた地上系基盤技術 宇宙輸送システムの統合航法装置の開発 高分解能・高頻度な光学衛星観測システム 高出力レーザの宇宙適用による革新的衛星LiDAR技術 7月下旬 衛星量子暗号通信技術の開発・実証 衛星コンステレーション構築に必要な通信技術(光ルーター)の実装支援 低軌道自律飛行型モジュールシステム技術 低軌道汎用実験システム技術
UchuBizスタッフ