人検知し話しかけるテレビ レグザが目指す生成AI活用 石橋副社長「実演は当社だけ」
TVS REGZAの石橋泰博副社長が9日(現地時間)、電波新聞の取材に応じ、「テレビをパッシブ(受動的)からアクティブ(能動的)な製品に進化させる」と方向性を示した。生成AI(人工知能)とミリ波レーダーを活用し、テレビが人にアクションを起こさせるような製品を目指している。 【関連写真】視聴以外で絵画などを表示する大画面テレビのコンセプトモデル。「レグザ」ロゴがしっかり入っている 同社は、生成AIを活用し、あいまいな言葉からでも音声検索で視聴したい動画コンテンツにたどり着けるようにする技術コンセプトをCESで披露。生成AIをテレビに搭載する動きはCESに出展する他のテレビメーカーにも見られるが、「実演までしているのは当社ぐらい」(石橋副社長)と自信を見せる。 生成AIをテレビに搭載し、リモコンを介して音声による対話型の検索を行うことなどは、スマートフォンやパソコン(PC)で実行するのとさほど変わりがない。ネット検索は生成AIの得意とするところでもあり、石橋副社長は「それではテレビに搭載する意味がない」と指摘する。 同社が狙うのは、生成AI搭載でテレビの価値を再定義することだ。「テレビが使われなくなっている。必要な機器としてもっと使ってもらいたい」(石橋副社長)。その際、生きてくるのが、高精度に人を検知できるミリ波レーダーと「みるコレ」だ。 みるコレは、好きなタレントやジャンルの番組を自動で録画したり、ネット動画を自動で検索したりしてくれるサービス。録画やネット動画などを含めて好みのコンテンツを検索できるみるコレのプラットフォームと生成AIを組み合わせることで、「単なる対話型検索にとどまらない、生成AIをテレビに搭載する意味を出せる」(石橋副社長)と力を込める。 CESで披露したのは技術コンセプトであり、ミリ波レーダーで人を検知しても、テレビに話しかける際はリモコンが必要。製品化はまだ先とするものの、石橋副社長は「製品化の際にはアクティブなテレビにしたい」と意気込む。 例えば、リビングでくつろぐ人を検知すると「音楽をかけますか」といった形でテレビが話しかける。それに対し、声で応えることでテレビが音楽を流してくれる。その際、リモコンは不要で画面には楽曲に適した映像が流れる――などだ。 また、CESでは、映像を視聴していない際に絵画などの映像を表示する85インチのコンセプトモデルも展示。壁付けできるインテリアに配慮した薄型モデルで、日本への投入も検討している。
電波新聞社 報道本部