「痛くない」インフルエンザワクチン 国内初承認の鼻に噴霧するタイプ、子どもを対象に今季からスタート 特長や注意点は?
予防効果は変わらず
予防効果については、試験の結果から、従来の不活化インフルエンザワクチンと「同様の有効性が期待できる」と説明。感染経路となる鼻に直接ワクチンを噴霧するため、鼻の粘膜の感染防御効果が高まるという。
副反応としては、鼻水や鼻づまり、咳、喉の痛み、頭痛などの症状が現れることがある。また、まれにショックやアナフィラキシーなどが現れることもあるという。
日本小児科学会の「考え方」
日本小児科学会は9月、医療機関に向けたフルミスト使用に関する「考え方」を公表した。毒性の弱いウイルスを使用しているため、接種を受けた子どもは「ワクチンウイルスを最長3~4週間排出する可能性がある」と指摘し、妊婦や免疫不全患者などには、従来の不活化ワクチンのみを推奨。その他、喘息患者や授乳中の人、周囲に免疫不全患者がいる場合なども不活化ワクチンの使用を推奨している。
どう選ぶ?
仁科医師は、インフルエンザワクチンについて「接種したからといって絶対にかからないということではないが、重症化を防ぐことができると言われている」と説明。そのため、接種後も「手洗いやうがいなどの感染予防対策は必要」と強調する。また、フルミストの場合は、子どもが激しく泣くなどして鼻水が多いとワクチンがうまく入らない可能性もあるので「子どもにとってどちらが適しているのかを考えて選んでほしい」と話した。