沖縄との連携など提言へ 奄美群島成長戦略ビジョン懇話会 奄美市名瀬
第1回奄美群島成長戦略ビジョン懇話会が11日、鹿児島県奄美市名瀬の奄美群島広域事務組合であった。オンラインも含めて委員15人が出席。座長に志學館大学の原口泉教授(77)を選任し、同ビジョンの2023年度基本計画と14~23年度の後半5カ年計画(後期計画)に対する実績や事業の評価結果を共有した。また人材の確保・育成や沖縄との連携などを含む産業振興の提言案も取りまとめた。12月に開催予定の奄美群島市町村長会で提言する。 ビジョンは10年単位で奄美群島の持続的発展に向けた基本理念と将来像を示すもの。群島12市町村が策定し、24年度スタートの「奄美群島成長戦略ビジョン2033」では「つなぐ宝」「稼ぐ力」「支える基盤」の三つを柱に、自然環境や文化、農林水産業、観光・交流、デジタルなど10分野を重点に据える。 懇話会はビジョンの策定や成果検証に関する提言を行う場。委員は群島各島代表の首長や大学教授、地域振興などに携わる国、県の代表者ら16人で構成される。 11日は事務局の奄美群島広域事務組合が事業の評価結果を共有。▽人材の確保・育成・教育▽(群島や各島の)魅力の発揮▽共生・協働の推進、交流・連携の強化▽「市場の拡大(ヒト・モノ・カネ・情報)―の四つの分野で19~23年度に同組合や各島で実施予定だった2137の事業について、目標達成度を4段階で評価した結果などを説明した。 委員からは、事業が奄美の発展につながっているかの評価や、良い事例の他の島への展開、沖縄と担当者レベルで交流することなどを求める意見が挙がった。 原口座長は「事業実績やその評価について、共通認識を持つことができた。(懇話会は)群島全体に加えて国や県も入り、沖縄との連携を話すなど、いい意味で刺激となる場となっている。各島の事業に反映してほしい」と話した。