「バレンシアガ」CEOが「サンローラン」CEOに就任 ケリングでさらなる人事異動
サンローランでは、特に中国においてラグジュアリー消費が落ち込み、インフレと高金利が世界的な消費の重荷になる中、セールスの勢いを再活性化させることに向き合う。24年度の売上高(既存店ベース)は減速しており、第1四半期は前年同期比6%減、第2四半期は同9%減、第3四半期は同12%減。ケリングは、シャルビ新CEOのミッションについて「彼の専門知識とリーダーシップを生かし、パリを象徴するメゾンをさらに発展させ、そのユニークなポジショニング、伝統、アイデンティティーを構築することだ」と述べた。
また、ベレッティーニ=ケリング副CEOはシャルビ新CEOについて、「サンローラン時代、セドリックは私の重要な協力者の一人であり、彼のリーダーシップと独自のスキルにいつも感心していた」とコメント。「バレンシアガで、彼は驚異的な成長を成し遂げただけでなく、困難を乗り越えてブランドの舵を取り、新たな勢いをもたらした。彼こそ、サンローランの次の章を切り開く完璧なリーダーだと確信している」と続けた。
一方、ジャンアンジェリ=バレンシアガ新CEOは、06年にボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)でキャリアをスタート。マーチャンダイジング・マネジャーや日本法人のバイス・プレジデントを経て、2011年にプラダ(PRADA)のアソシエイト・インターナショナル・ディレクターに就任した。13年から4年間ジバンシィ(GIVENCHY)でグローバル・リテール・ディレクターを務めた後は、自身の家族が所有するイタリア・ペルージャのニットウエアメーカーでビジネスの再構築に取り組んだ。その後、20年にメゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)のCEOに就任。23年9月にサンローランに入社した。
08年からボッテガ・ヴェネタでマーチャンダイジング・ディレクターを務め、当時からジャンアンジェリ新CEOを知るベレッティーニ=ケリング副CEOは、「マーチャンダイジングチームの一員だった彼の才能をすぐに認識した。数年間一緒に働き、その後も絶えず連絡を取り合っていた」とコメント。「常にこの業界で最も優秀なプロフェッショナルの一人だと考えてきた彼が昨年、サンローランに加わったとき、ブランドだけでなくグループにとっても大きなプラスになったと感じた。そんな彼は、バレンシアガにおけるセドリックの完璧な後継者だ」と続けた。