パルマでプレーする日本代表GK鈴木彩艶(C)Getty images

元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンの発掘者として知られるエルメス・フルゴーニ氏が、パルマに所属する日本代表GK鈴木彩艶について語った。 鈴木は今夏、ベルギーのシント＝トロイデンからパルマへと移籍。日本人初のGKとしてセリエAに挑戦し、ここまで全3試合に出場した。しかし、セリエA第3節ナポリ戦で退場となり、チームの逆転負けを引き起こしたとして物議を醸している。 そんな鈴木に対して現地でさまざまな議論が繰り広げられる中、フルゴーニ氏はパルマ情報サイト『スタディオ・タルディーニ』のインタビューに応じた。 イタリア人ジャーナリストで元パルマ職員のガブリエレ・マヨ氏記者から、鈴木がブッフォンに似ているか問われると「彼が大きなポテンシャルを持っているという意味で、遠い親戚というよりは近い親戚かもしれない。ちろんそのポテンシャルは今後引き出していかなければならない」と鈴木の能力をブッフォンに重ねて評価した。 また、FC東京GKテクニカルアドバイザーを務めた経験を持つフルゴーニ氏は「彼は非常に重要な要素を2つ、3つ持っている。自分がやりたいことに関して決意を持っている。私は日本で代表選手を育てたことがあり、日本人選手のメンタリティは少し知っている。彼らは頭角を現そうと意欲を持っている」と日本人の国民性についても自身の見解を示している。 「良いパフォーマンスを見せるために、全員が全力を尽くす。鈴木には、この意欲と決意があるんだ。それから素晴らしいフィジカルと素晴らしい潜在力がある。確かに技術に関して少し足りないものがあるが、そこは、パルマのGKコーチがうまく彼の能力を引き出してくれるだろう」と語り、鈴木のさらなる成長に期待をのぞかせた。

■技術を身に着ければ強いGKに

マヨ氏は22歳の日本代表GKを「ダイヤモンドの原石」と評したが、今後どのように磨いていく必要があるかをフルゴーニ氏にたずねた。 「彼は間違いなくダイヤモンドだよ。パルマだけでなく、多くのクラブが彼に関心を寄せていたくらいだからね。彼のクオリティやポテンシャルに気付いたのだろうね。彼には技術面や、試合中の状況を理解できるように教えていく必要がある」 「特に技術は、力を入れている者がほとんどいないが重要な要素だ。技術があればパワーでたどり着けない場所までたどり着くことができるからね。だからパルマは幸運だ。鈴木にはパワーがあり、技術面に取り組めばパワーと組み合わさって重要なクオリティが生み出される。とても強いGKになるだろう」 ブッフォンを発掘した名指導者から絶大な評価を受ける鈴木。日本の若きGKのセリエAでの挑戦に今後も注目が集まる。