（ブルームバーグ）： 米ホームセンター大手ホーム・デポは、建築資材販売の米ＳＲＳディストリビューションを約182億5000万ドル（約２兆7600億円）で買収すると発表した。この買収額は、同社としては過去最大規模。一般の消費者が自ら作業を行うＤＩＹ向けの小売店として始まったホーム・デポだが、ＳＲＳ買収により専門業者の分野を強化し、さらなる成長を目指す。

ホーム・デポの発表によれば、買収完了は2025年の早期を予定している。ＳＲＳは屋根工事業者や造園業者などを顧客とし、昨年の売上高は100億ドルだった。ホーム・デポは、今回の買収により新たな市場に進出し、その規模は500億ドル相当になると説明した。

ホーム・デポと、競合する米ロウズは共に、住宅所有者向けの小売店としてスタートしたが、このところは専門業者の分野へと事業を拡大している。そうした分野ではプロジェクトも高額でより大きな利益が見込める。ホーム・デポでは既に、売上高全体の約半分を専門業者から得ており、ロウズでもその比率はおよそ25％に上る。

ブルームバーグ・インテリジェンスのドルー・リーディング氏は、専門業者の分野はＤＩＹよりも速いペースでの拡大が見込まれており、この買収によりホーム・デポは成長を加速できると予想する。同氏は、より大規模かつ複雑なプロジェクトについては新型コロナウイルス禍の減速に伴う累積需要が依然多く残っている指摘。一方で、ＤＩＹにつながる住宅購入は低迷が続くとの見通しを示した。

ホーム・デポは買収資金について、手元現金のほか、債券資本市場なども活用する予定だと説明。レバレッジを下げ、信用格付けを維持するため、同社は自社株買いを一時停止する計画だ。

テキサス州マッキニーに本拠を置くＳＲＳは、47の州で760カ所余りの支店を持ち、2500人以上の営業スタッフを抱える。

原題：Home Depot Bets $18 Billion on Expanding Battle for the Pro（抜粋）

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