宮沢りえ「誠実に、心の密度を大切に、本番に挑みたい」と意気込み、佐藤二朗脚本の舞台「そのいのち」開幕
宮沢りえ主演舞台「そのいのち」が11月9日、東京・世田谷パブリックシアターで開幕。舞台写真が解禁となり、宮沢や佐藤二朗ら出演者が作品への思いなどを語った。 【写真】宮沢りえ、佐藤二朗らが好演を見せる ■“持つ者”と“持たざる者”の間にある「溝」を描く 佐藤が、ミュージシャンの中村佳穂の楽曲「そのいのち」にインスパイアされ執筆した本作。介護ヘルパーとして働く山田里見、彼女の雇い主で障害を持った相馬花とその夫・和清の穏やかな日々、そしてあることをきっかけに徐々に狂い始めていく穏やかな関係。“持つ者”と“持たざる者”の間にある、埋めようのない「溝」を描き出す。 主演は、5度にわたる日本アカデミー賞主演女優賞や読売演劇大賞大賞・最優秀主演女優賞など、数多くの受賞歴を持つ宮沢が務め、相馬花役は佳山明と上甲にか(Wキャスト)。ほか、鈴木福の弟でドラマやバラエティーなど、活躍の場を広げる鈴木楽、今藤洋子、本間剛といった、佐藤が信頼を置く実力派がそろった。 東京公演は17日(日)まで行われ、22日(金)~24日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、28日(木)に宮城・東京エレクトロンホール宮城で上演される。 ■宮沢りえコメント 「いのち」とは何か、「愛」とは何か、稽古中向き合い続けました。 はっきりとした輪郭を帯びない、とてつもなく大きなものをできるだけつかみたい。 誠実に、心の密度を大切に、本番に挑みたいと思います。 ■堤泰之(演出)コメント 宮沢りえと佐藤二朗の演技は、言わずもがな濃密で複雑です。上甲にかと佳山明は、障碍のある女性をとことんリアルに演じます。 本間剛と今藤洋子は、作品に軽やかさを与えてくれます。負けじと子役たちも必死で食らい付いています。そして、生きたウサギはマイペースでエサを食べるのです。 役者、スタッフ、介護士の方々、子役たちの親御さん、いきものががり等々、とにかく総力戦です。近年稀にみる総力戦であります。 ■佐藤二朗コメント 筋ジストロフィーと共生する上甲にか。脳性麻痺の後遺症を抱える佳山明。この2人の女優と共に歩めたことは、座組全員の誇りです。 2人の女優が成し遂げんとすることの向こう側に、2人の女優が開けんとする未踏の扉の向こう側に、目映い光が射すことを心から願う。 ■佳山明コメント たくさんお世話になり、そしてご迷惑をお掛けしてしまったスタッフの方々、俳優の皆さまと共に公演初日を迎えることができまして、大変ありがたく光栄に思います。 見てくださるお客さまと一緒に物語の世界を旅しながら、ほんのわずかでも灯りとなりますよう精進してまいります。よろしくお願いいたします。 ■上甲にかコメント 本日、初日を迎えられたことを奇跡のように感じています。舞台「そのいのち」に関わる全ての方々に御礼申し上げます。 この座組は、生きている人の力を本気で信じています。私は、相馬花として全力で生き抜きます。 舞台「そのいのち」、どうぞお願いいたします。