ワコムがデジタル作品の著作権保護と証明を可能とするサービス「Wacom Yuify」を発表、11月15日からオープンベータ版を提供へ。不可視かつ固有の「マイクロマーク」を埋め込み、制作の背景など登録情報も確認可能
ペンタブレットやスタイラスペンなどのデジタル製品を展開するワコムは、デジタル作品の保護と著作者証明を可能とするプラットフォーム「Wacom Yuify(ワコム ユイファイ)」のオープンベータ版を11月15日(金)から提供すると発表した。 『Wacom Yuify』画像・動画ギャラリー ベータ版サービスは11月15日(金)から無料で提供される予定となっており、CLIP STUDIO PAINTのWacom Yuify対応版やPhotoshopのプラグイン、およびRebelleの最新バージョンでエクスポートして利用できる。なお、使用にはWacom IDの登録が必要だ。 「Wacom Yuify」は、クリエイターが制作した2Dイラストに不可視かつ固有の「マイクロマーク」を埋め込むことで、著作権の記録と証明を可能とするプラットフォームだ。発表によると、ワコムはブロックチェーン技術を活用して「マイクロマーク」を独自開発しており、特許も取得しているようだ。 マイクロマークが埋め込まれた画像は専用ツールの「Yuifinder(ユイファインダー)」経由で記録を探索でき、画像をスキャンするだけでオリジナルの作品をすぐ特定可能。著作者の記録だけでなく、制作の背景など作者が登録した作品の情報も確認できるという。 「Wacom Yuify」のオープンベータ版が15日から提供される背景には、同日から発効されるX(旧Twitter)上での規約改定を受けて、「投稿した画像や動画などのコンテンツが機械学習やAIに用いられる」との懸念が強まっている状況がある。 実際、出版社のひとつである幻冬舎は11月13日(水)、同社のコミックス公式Xアカウント(@gentosha_comics)にて「作家様のイラストを使用したものにはAI学習阻害処理やウォーターマーク等の加工」をかけた上で投稿する方針を示した。 X上では上記のような対応や他SNSへの“移住”の検討など、イラスト・映像を筆頭に広い範囲で混乱が生じた一方、慎重にAI学習の阻害処理やウォーターマークの有効性、および“移住”の有効性を検証・疑問視する声も上がっており、ユーザー間の分断を招きかねない状況となっている。 「Wacom Yuify」については、11月15日・16日(金・土)に開催されるイベント「コネクテッド・インク2024 東京」でも紹介されるため、興味があればイベント参加の登録を済ませてチェックしておくとよいだろう。 プレスリリースの全文は以下のとおり。 ・ワコム、創作の証を記録・管理するサービス「Wacom Yuify」のオープンベータ版の提供を開始 株式会社ワコムは、2024年11月15日(金)より、デジタル作品の保護と著作者証明を可能にするプラットフォーム「Wacom Yuify(ワコム ユイファイ)」のオープンベータ版の提供を開始します。 マイクロマークで作品を保護 「Wacom Yuify」は、デジタル作品に目に見えない固有のデジタルIDを埋め込むことで、著作権の保護を可能にします。クリエイターは、このデジタル著作権管理プラットフォーム上で、自身の著作権記録を管理できます。現在、CLIP STUDIO PAINT、Rebelle 7、およびPhotoshopで作成された2Dイラスト作品の保護に対応しています。 「Wacom Yuify」の使用方法は簡単で、CLIP STUDIO PAINT、Rebelle 7、Photoshop で作成した作品をプラグインまたはエクスポートオプションを使用してJPEG、PNG画像を書き出しするとマイクロマークが作品に埋め込まれ、「Wacom Yuify」のプラットフォーム上に永続的な著作記録を生成します。このマイクロマークは、作品の保護を支援するためにワコムが開発し、特許を取得した独自の技術です。 さらに、「Wacom Yuify」は著者と作品の関係を永久的に記録することで、作品を保護します。ブロックチェーン技術を活用した著作権記録は不変かつ永続的であり、原作者と作品をデジタルで結びつけます。 著者の検索 「Wacom Yuify」には、保護された著作者の記録を探索できる機能が備わっています。「Yuifinder(ユイファインダー)」ツールを使用して、保護された著作者の記録を探索可能です。公開された画像をスキャンするだけで、マイクロマークが埋め込まれていれば、オリジナル作品を簡単に特定できます。また、作品とともに著作者記録、制作の背景など、作者が登録した作品の情報も閲覧できます。「Yuifinder」は、誰でもサインアップすることなく利用可能です。 ▼Yuifinderでみる 画像をダウンロードしてYuifinderでスキャンすると、作者のプロフィールが表示されます。 以下リンクより画像をダウンロード (Wacom Yuify登録済み画像の一例です) 2. 「Yuifinder」を開いて画像をスキャン クリエイターの権利を保護 創作の証を自身の作品に埋め込み、管理することはクリエイターの権利を保護する上で重要です。「Wacom Yuify」を活用することで、自身の作品の著作権を保護し、デジタルアートの完全性と由来を維持することができます。 「分散型のデジタルの世界において、オリジナル作品のデジタルアートを制作したクリエイターの権利が守られるべきだと考えています。特に、プロとしての道を歩み始めたばかりのクリエイターにとって、自分の権利の保護が困難だと感じる方もいらっしゃると思います。Wacom Yuifyは、クリエイターの創作の証を残すことができる強力なツールです」と、インク・ディビジョンのシニアバイスプレジデントであるハイジ・ワンは述べています。 Wacom Yuifyベータ版に参加する 「Wacom Yuify」のパブリックベータ版は2024年11月15日(金)から無料で提供されます。「Wacom Yuify」のエクスポートオプションは、CLIP STUDIO PAINT*とRebelleの最新バージョン、およびPhotoshopのプラグインで書き出しでき、使用にはWacom IDの登録が必要です。 *CLIP STUDIO PAINTは で公開しているWacom Yuify対応版のダウンロードが必要です。 「Wacom Yuify」の詳細や参加方法については、こちらをご覧ください。 コネクテッド・インク2024で Wacom Yuifyを体験 なお、「Wacom Yuify」は、2024年11月15日(金)・16日(土)に開催される「コネクテッド・インク2024 東京」でもご紹介します。ぜひ「Wacom Yuify」ブースにお立ち寄りください。 <会場> コネクテッド・インク2024 東京 ▼開催日時: 2024年11月15日(金)15:00~(受付開始14:30~) 2024年11月16日(土)13:00~(受付開始12:30~) ▼場所:東京・新宿 住友ビル三角広場 (東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル) ご来場の際はコネクテッド・インクへの参加登録が必要です。 ご登録はこちらから: 【ワコムについて】 株式会社ワコム(東証プライム:6727)は、デジタルペンの技術を通して、「デジタルで描(書)く」体験をお客様の様々なニーズに合わせてお届けする、「テクノロジー・リーダーシップ・カンパニー」です。ワコムのペンタブレット製品は、全世界150以上の国と地域で、映画制作や工業デザインのスタジオ、デザイナー、マンガ家などのプロクリエイターから、趣味でイラストや写真加工を楽しまれる方まで幅広くご愛用いただいております。また、「書いて学ぶ」ことが欠かせない学校や塾など教育の現場、医療現場での電子カルテ等の記入、金融機関等での各種申込書、クレジットカードの電子サイン用にも、ワコムの製品は使用されています。さらには、オフィスや家庭で使われているデジタルペンを搭載したパソコン、タブレット、スマートフォン向けにもワコムのペン技術をOEM提供しており、多くのモバイルIT機器に搭載いただいています。 ワコムはこれからも、最先端技術との連携も視野に入れた新しいデジタルペンの体験と価値をお届けしてまいります。 ※ワコム、Wacomは株式会社ワコムの商標または登録商標です。 ※その他、本書に記載されている会社名または製品名は、各社の商標または登録商標です。 ※本書に記載されている内容は発表時点のものです。やむをえない事情で当日の内容に変更が生じる場合があります。 <お客様からのお問い合わせ先> ワコムインフォメーションセンター 電話:0120-056-814 (受付時間: 9:00~12:00 / 13:00~18:00、土日祝日を除く)
電ファミニコゲーマー:ヨシムネ
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