芸歴21年で初の映画主演…“愛されヒロイン”畑芽育、夢はやっぱり「朝ドラのヒロインに挑戦してみたい」
女優の畑芽育(はた・めい、22)が、「うちの弟どもがすみません」(三木康一郎監督、6日公開)で映画初主演にして4人の義理の弟たちの面倒を見るため奮闘する女子高生を好演している。ラブコメヒロインとしての注目度も急上昇中だが、「自分が輝けるジャンルだと思ってもみなかった」と告白。同性からも応援される“愛されヒロイン”を演じることへの思いや、女優としての夢を語った。(奥津 友希乃) 【写真】愛されヒロイン“きょうだい”5ショット 抜群の透明感と、どこを切り取っても愛らしい表情が魅力。天真爛漫(らんまん)さと同居する、堅実な芝居や言葉選びは、重心がどっしりと低い場所にあるような印象を受ける。 わずか1歳で芸能界入りし、物心ついた頃から芝居と共に生きてきた。「昔から『落ち着いて見える』とか、『もっと年上だと思ってた』って言われてきました。(実生活では)年の離れた姉たちがいることもあって、年上の役者さんやスタッフさんと話すのも心地がいいんです」と明かす。 今作では、芸歴21年で初めての映画主演を任された。「ドキドキでしたけど、意識ってこんなに変わるんだなと。作品を背負う気構えも変わりましたし、ここを分岐点に羽ばたいて、いろんな景色を見たい」と新たなスタートラインに立った思いだ。 劇中では、親の再婚をきっかけに義理の弟たちの面倒を見る女子高生・糸を演じる。実生活では「私は5人きょうだいの末っ子なので、糸ちゃんとは真逆」と告白した。 ラブコメならではの現実離れした設定や役柄でも、ヒロインにリアルな葛藤や共感を投影することにこだわった。「ザ・少女漫画な物語だけど、そこに現実味がないとロマンチック過ぎて、見る方が世界観に入り込めないと思うんです。等身大で、背中を押したくなるひたむきさが取りえの糸ちゃんを、存分にスクリーンに引き出してあげたいという思いで演じました」 イケメンで個性豊かな義弟役には、「HiHi Jets」の作間龍斗(22)、「美 少年」の那須雄登(22)、「少年忍者」の織山尚大(なお、21)、ジュニアの内田煌音(きらと、11)が集結した。それぞれに姉心をのぞかせながら、“四者四様”の魅力を語る。 「作間さんはクールな役柄と裏腹に、めちゃくちゃユーモアのある楽しい人。那須さんは役に誠実で頼りがあって、メリハリがある。織山さんは弟っぽい、いじらしさもあり、最後までつかみきれないミステリアスな魅力の持ち主。内田君は、本当にかわいくて太陽みたいな存在。名前の通り、本当に煌(きら)めく男の子。大スターになると思います」 昨年から今年にかけて出演したドラマや映画は10本以上。恋愛要素のある作品にも多数抜てきされ、世代を代表するラブコメヒロインのひとりだが、意外にも「自分が輝けるジャンルだと数年前まで思ってもみなかった」という。 「私も学生時代に恋愛映画をいっぱい見てきましたが、ラブコメのヒロインってかわいくて、みんなが憧れる存在じゃないですか。正直、目標に掲げることもはばかられると思っていました。それまでは闇を抱えた役を演じることも多かったですし、はつらつ、キラキラした役が自分に舞い込んでくることが、今でもちょっと信じられないです」 転機になったのは、青春恋愛映画で初ヒロインを務めた「なのに、千輝くんが甘すぎる。」(23年)。陸上部エースのモテ男子(高橋恭平)と恋仲になるヒロイン・真綾を好演し、作品を見たファンから「芽育ちゃんが真綾でよかった」などと想像以上の反響が届いた。 「少女漫画を映画にする上で、ヒロインを応援できないと作品としては絶対成立しない。そういう気概で、手探りでしたけど真綾を演じました。公開後にたくさん反響をいただけた時に、これまで頑張ってきたことはひとつも無駄じゃなかったんだなと、すごくうれしかったです。役者人生の大事な一ページになりました」 同性からも支持される“愛されヒロイン”へと成長し、かねて描く青写真への思いを強めている。「許されることなら制服を着る学園ものもまだ出演したいし、学生のフェーズを一つ抜けて、お仕事ドラマや重ためのテーマにじっくり向き合えたら成長できそう。あまり夢を大きな声で言うのは得意じゃないんですけど…」と息を大きく吸い込んだ。 自身に言い聞かせるように2度、うなずきながら「やっぱり朝ドラのヒロインに挑戦してみたい。少女漫画原作のヒロインを任せていただき、応援してもらえる今の環境や経験があるからこそ、目指したいなって。毎朝ドラマを見て、活力をつけて『一日頑張ろう』と思ってもらえるようなヒロインになりたい」。役への真摯(しんし)な思いと、頑張り屋な人間性を強みに、スターダムを駆け上がる。 ◆畑 芽育(はた・めい)2002年4月10日、東京都生まれ。22歳。1歳から子役として芸能活動を開始。23年、日テレ系「最高の生徒~余命1年のラストダンス~」で連ドラ初主演。同年MBS系「女子高生、僧になる。」、24年テレ東系「パティスリーMON」でも主演。現在は日テレ系「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」(日曜・後10時半)に出演中。他の主な出演作に映画「森の中のレストラン」、TBS系「9ボーダー」など。好きな食べ物は「パン。埋もれたいくらい大好き」。 ◆「うちの弟どもがすみません」 女子高生・糸(畑)は親の再婚により、クールな長男・源(作間)、頭脳明晰(めいせき)な次男・洛(那須)、ミステリアスな三男・柊(織山)、人懐っこい四男・類(内田)と同居することに。次第に糸は源を気になり始め、柊は糸に特別な気持ちを抱くようになる。
報知新聞社