5%の利回りでアクティブファンドに投資家誘う-ピムコなど債券大手
(ブルームバーグ): パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)、ブラックロック、キャピタル・グループなど債券ファンド大手が、利回りが5%になる可能性をちらつかせて、アクティブ運用の債券ファンドに資金を呼び込もうとしている。顧客は注目している。
1-3月(第1四半期)には約900億ドル(約13兆9000億円)がアクティブ運用債券ファンドに流入し、3カ月間の流入額として2021年半ば以降の最大となった。利回りが過去20年間で最も高い水準にある現在、ファンドマネジャーは米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げをする前に投資家が大きなリターンを確定する好機だとみている。アクティブ運用者とっては、ゼロ金利に近い状態が何年も続いたために利回りに飢えていたポートフォリオを立て直すチャンスでもある。
ロサンゼルスを拠点とする債券大手キャピタル・グループの債券事業開発責任者、ライアン・マーフィー氏は、今回の新規資金流入は「数四半期、数年にわたる長期的な現金離れのトレンド」の始まりを意味すると述べた。同氏によれば、多くの投資家はまだ慎重に現金資産を選好しているが、債券の利回りが上昇していることから、より多くの投資家がより長期の債券に資金をシフトさせるはずだという。「投資家は債券から、ここ20年で最高のリターンを得ている」とマーフィー氏は述べた。
1-3月の流入額は相当なものだったが、債券ファンドマネジャーが本当に狙っているのは、投資家がマネー・マーケット・ファンド(MMF)に滞留させている約6兆ドルの資金だ。
18日に発表された最新のデータによると、MMFからは17日までの週に、2008年9月以降で最大の資金が流出した。
米MMF資産残高、2008年以来の大幅減少-納税期限が影響
今年これまでにはMMFのほかアクティブおよびパッシブ債券ファンドに資金が流入し、投資家が一部の株式やプライベート資産へのエクスポージャーを減らしていることがうかがわれる。