5%の利回りでアクティブファンドに投資家誘う-ピムコなど債券大手
米利下げ開始時期の予想が後ずれし利下げ回数見通しも切り下げられ続けている現在は、個人投資家が債券を買うには難しい時期だ。また、ゆがめられた債券価格と信用の質を選別し、真の機会を見つけるのは容易ではない。
これらは全て、アクティブ運用者に有利に働く。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントでマルチセクター債券投資の責任者を務めるリンゼー・ロスナー氏は先週のインタビューで、「全体像としては、利回りは魅力的であり、このような環境では、(異なる国や企業、指数の価格差から利益を得るために)アクティブ運用者である必要がある」と述べた。
EPFRがまとめたデータによると、米国の債券ファンドと債券上場投資信託(ETF)を合わせると、第2四半期に約1590億ドルの資金流入があった。パッシブファンドが690億ドルだったのに対し、アクティブファンドは約900億ドルとその半分以上を占めた。アクティブ債券ファンドがわずか190億ドル、パッシブファンドが2790億ドルを集めた昨年とは対照的だ。
第1四半期は、ピムコ、ブラックロック、キャピタル・グループ、PGIM、JPモルガン・チェース、フィデリティ・インベストメンツ、ジャナス・ヘンダーソン・グループなどのアクティブ運用ファンドに資金が流入した。
1兆2000億ドルの資産運用について機関投資家に助言し、自らも約860億ドルを運用するウィルシャー・アソシエーツでは、伝統的なコアおよびコアプラス債券戦略のポートフォリオマネジャーを探す手助けを顧客が求めていると、伝統的債券調査担当シニア・バイス・プレジデントのウィル・ベック氏が述べた。
アクティブ債券マネジャーは通常、米国債、住宅ローン担保証券、社債へのエクスポージャーをシフトさせることで、ブルームバーグ総合債券指数をアウトパフォームしようとする。
アクティブ運用者らは、経済と高インフレ、FRB政策の紆余(うよ)曲折を乗り切る自信を見せているが、最も困難な挑戦は、ほとんどリスクを取らずに5%以上の利回りが得られるマネー・マーケット口座かもしれない。米投資信託協会(ICI)によると、これらの口座は今年これまでに約800億ドルが流れ込んでいる。