平成筑豊鉄道の車両基地や本社がある金田駅

　経営難が続いている福岡県直方市と同県行橋市を結ぶ第3セクター・平成筑豊鉄道（福岡県福智町）の沿線9市町村長が31日、鉄道のあり方を検討する「法定協議会」の設置を服部誠太郎知事に要請した。服部知事は「早急に検討する」と言及。法定協は設置される見通しになった。 【写真】福岡県の服部知事

　法定協は県や市町村、交通事業者などで構成され、鉄道の運行と設備の保有を切り離す「上下分離方式」での鉄道維持や、バス高速輸送システム「BRT」、路線バス転換など代替策も含めて議論される見込み。県庁を訪れた田川市の村上卓哉市長は「経営は非常に厳しく待ったなしの状況だ。持続可能な形で再構築する必要がある」と述べた。

　平成筑豊鉄道は旧国鉄の路線約50キロを継承し、1989年に開業した。人口減で利用者が減り、近年は沿線自治体が年約3億円を助成。鉄道側は将来的に年10億円の赤字が継続して発生するとの試算を示し、法定協の設置を沿線市町村に要請していた。