中国、1~3月に記録的な米国債売り-ドル資産離れ浮き彫り
(ブルームバーグ): 中国が1-3月(第1四半期)に売却した米国の国債と連邦政府機関(エージェンシー)債が過去最大規模となった。米中間の貿易摩擦が続く中で、中国のドル資産離れが浮き彫りとなっている。
米財務省の最新データを基にブルームバーグが算出した中国当局による1-3月の米国債・エージェンシー債売却は計533億ドル(約8兆2000億円)。中国の保有資産を保管していると見なされることが多いベルギーは1-3月に220億ドルの米国債を手放した。
世界1、2位の経済大国である米国と中国の関係は緊張をはらんでおり、中国の対米投資に注目が集まっている。
バイデン米大統領は、中国からのさまざまな輸入品に対する大幅な関税引き上げを発表。トランプ前大統領は11月の大統領選で当選すれば中国製品に60%以上の関税を課す可能性があると表明している。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアジア外国為替・金利チーフストラテジスト、スティーブン・チウ氏は「米連邦準備制度の利下げサイクルが近づいているにもかかわらず、米国債とエージェンシー債を売っている中国にはドル保有からの分散という明確な意図があるはずだ」と指摘し、米中貿易戦争が再開され、特にトランプ氏が大統領に返り咲けば「中国による米国の証券売りが加速する可能性がある」と述べた。
ドル資産売却で中国の公的準備資産に占める金の割合は4月に4.9%に上昇し、2015年からの中央銀行データで最高となった。
原題:China Sells Record Sum of US Debt Amid Signs of Diversification (抜粋)
--取材協力:ジェームズ・メーガ.
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Masaki Kondo, Iris Ouyang