天皇、皇后両陛下が「海づくり大会」に出席 稚魚の放流も 大分
天皇、皇后両陛下は10日、大分市内で開かれた「第43回全国豊かな海づくり大会」に出席された。天皇陛下は式典のあいさつで、養殖業の振興や海産物のブランド化など大分県の漁業者の取り組みに触れ「長年にわたり続けてこられた皆さんの努力に深く敬意を表します」と述べた。式典後は同県別府市の港で皇后雅子さまとともにマコガレイとマダイの稚魚を放流した。 【写真まとめ】マコガレイの稚魚に給餌される両陛下 港では雨の中、大漁旗を掲げた漁船のパレードもあった。両陛下は大分ならではの漁法の説明を聞きながら漁船の乗組員と手を振り合っていた。 大分県では1981(昭和56)年に第1回大会が鶴見町(現在の佐伯市)で開かれ、皇太子ご夫妻だった上皇ご夫妻が出席した。今大会では、当時の会場だった鶴見の漁港と両陛下の放流会場が中継で結ばれた。両陛下は映像越しに漁港にも笑顔で手を振り、小学生の合図で同時に放流していた。 式典では、地元の漁業者たちが、燃料高騰や温暖化などの影響で漁や養殖が厳しい状況にあるとしながらも、海の資源を守っていく決意を表明。小学2年の中園瑛斗さんは大好きな海や魚を守るために日常生活に取り入れているエコな活動をまとめた作文を読み上げた。両陛下はそれぞれの発表に時折うなずきながら、拍手を送った。 壇上を去る際、両陛下は中園さんに歩み寄り「素晴らしい作文ですね」「どんな魚が好きですか」と声をかけた。「姫島のタコがとってもおいしいのでぜひ食べてください」と答えたという中園さんは式典後、「大好きな『姫だこ』のアピールができてよかったです」と笑顔をみせていた。【山田奈緒】