アメリカでも“暗黙の了解”は通用する? ニューヨークのZ世代「空気を読むこと」を考える
ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40~18:55)。ニューヨークのZ世代の若者たちと一緒に、日本も含めた激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。 4月10日(水)のテーマは「ニューヨークのZ世代も空気を読む?」。「NY Future Lab」に所属するアメリカZ世代が、「空気を読む」ことについて思うことを語り合いました。
◆アメリカの若者も失敗は怖い
アメリカのZ世代のうち、実に9割が転職を考えているという数字があります。一方、日本は、現状維持派が一番多いという情報も。以前から転職が当たり前のアメリカに比べ、日本が少ないのは当然ですが「日本の若者は失敗を恐れて行動できないのでは?」という意見もあります。 では、アメリカの若者は失敗が怖くないのでしょうか? NY Future LabのZ世代のなかでも、日本にルーツがある、または日本に友達がいるメンバーから意見を聞いてみました。 メアリー:私は失敗がものすごく怖い。自分がどれだけ失敗したか、しょっちゅう後悔している。 ミクア:正直に言って、私は失敗を恐れているほうだと思うよ。それが自分の性格だと思う。それほど極端ではないかもしれないけど、そういう傾向があると思う。だって失敗は誰もが望まないし、いい気分ではないでしょう? でも、何かにトライして失敗したとき、「なんだ、それほどひどいものでもなかった」と思えれば、逆に自信につながるんだよね。だから、私はいつも恐れを感じたときに、そのときの気持ちを思い出そうとするんだ。 でも、アメリカに比べて日本では多くの人が「他人がどう思うか」を恐れているんじゃないかな。それも多くの人々を後ろ向きにさせる要因だと思うよ。だって、もし私が失敗したら「みんなが私の失敗を見ている。いったいどう思っているんだろう」と思うと、とても恥ずかしくなるだろうから。 ノエ:日本の社会では、常に他人の考えを気にしているよね。みんなの目から見て、自分は正しいことをしているか、つまり「空気を読んでいるかどうか」ということ。常に他人の視線を気にしているよね。 アメリカの若者も失敗は怖いと感じています。ただ、日本と違い、恐れていても行動するのを止めるわけではありません。違いの理由の1つとして、Z世代評論家のシェリーは「アメリカ人の場合、失敗かどうかは、あくまで自分自身が決めることなんです。そのために『これは失敗ではなく学びのチャンスだ』と気持ちを切り替えやすいんです」と説明します。 日本はどちらかというと、他人がどう判断するかを気にするため、恥ずかしい思いをしたくない、失敗したくないという気持ちが強くなるのではないかとラボメンバーは分析しました。