子どもが1人いる、「年収400万円」のシングルマザーです。今回の「大学無償化制度」の変更はわが家に関係ないですか? まじめに納税してきたのに納得できません…
「大学無償化制度」は子を持つ世帯にとってありがたい制度ですが、これまでは所得制限があったために利用できない世帯も多くありました。住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯が対象だったからです。 しかし、令和6年度から「利用できる対象者が拡大される」ことが決まりました。所得制限が撤廃と報道され大きな期待感がありましたが、ひとり親であっても利用できない可能性があるのです。 そこで本記事では、年収400万円のひとり親が大学無償化制度を利用できない仕組みを解説していきます。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
これまでの大学無償化制度
大学無償化制度は「高等教育の修学支援新制度」の通称です。給付型の奨学金と授業料・入学金のサポートを受けられる制度となっています。 「給付型の奨学金」は返済の必要のない奨学金のことで、国公立大学の場合は最大で約80万円(自宅外通学の場合)、私立大学の場合は最大で約91万円(自宅外通学の場合)の給付を受けられます。 授業料・入学金のサポートは授業料と入学金の減免を受けられる制度です。国公立大学は授業料が最大約54万円、入学金が最大約28万円免除されます。私立大学の場合は授業料が最大約70万円、入学金が最大約26万円の免除です。 手厚い給付が受けられる高等教育の修学支援新制度ですが、所得制限があり住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯しか利用できない点に問題がありました。そのため、シングルマザーで子どもが1人の場合は、年収約370万円以下でなければ対象になりませんでした。
令和6年度から多子世帯は所得制限が拡大
令和6年度からは、高等教育の修学支援新制度を多くの世帯が受けられるように変更点があります。具体的には多子世帯の所得制限が目安として年収600万円まで拡大されるようになりました。給付金額は満額支給の4分の1です。また、令和7年度からは多子世帯の所得制限も撤廃される見込みです。 もっとも、多子世帯は子どもが3人以上の世帯のことを指します。そのため、事例のようなシングルマザーの場合であっても子どもが3人未満だと制度変更の恩恵を受けられません。