【裁判の行方は?】“紀州のドン・ファン”殺害事件裁判 審理はついに核心部分へ 食い違う主張と争点「遺産目当て隠してない」「覚醒剤購入依頼された」元妻の新証言に矛盾を突く検察
■主張の食い違い③『完全犯罪』『老人 死亡』の検索履歴に被告「グロテスクなものを調べるのが好き」
検察が有罪を立証する上での証拠の1つに、須藤被告のインターネットでの検索履歴があります。 須藤被告は事件前、『完全犯罪』や『老人 死亡』などをインターネット上で検索していたことがわかっています。 弁護側の質問で須藤被告は、「グロテスクなもの、不気味なものを調べるのが好きでした」と語りました。 『完全犯罪』と検索したことを検察側に指摘されると、「未解決事件やサイコパス事件、完全犯罪などが好きで調べていただけ」と答え、『老人 死亡』に関しても「直前に見た映画が影響している」とし、普段からこのようなキーワードで検索していたと主張しました。 検察側はこの主張に対し、須藤被告が『ヘロイン』や『コカイン』などと違法薬物について検索をした日付が、2018年3月29日だと指摘します。 須藤被告が野崎さんに初めて「覚醒剤を買ってきて」と依頼されたのは、この2~3日後の4月1日前後だと説明していたため、須藤被告の主張通りであれば、偶然、2~3日前に違法薬物について検索していたことになります。 検察側は「ヘロイン、コカインの検索履歴について、野崎さんとの関係はあるか?」という検察の質問に、須藤被告は「ないです。海外の有名人がよく使っているので、どういう薬か気になって検索した」と回答。 「(2~3日前という)偶然でびっくりしなかったか?」という質問に対しても、須藤被告は「特にしなかった」と語りました。
■「もうちょっと死に方考えてほしかった…」感情あらわに 裁判は次回で結審、判決は12月12日
被告人質問最終日の15日、それまで淡々と質問に答えていた須藤被告が、感情をあらわにする場面もありました。 須藤被告(15日の被告人質問) 「(検察の指摘について)今更どうがんばっても思い出せないものは思い出せない」 「(野崎さんが)目の前にいたら文句を言ってやりたい」 「もうちょっと死に方考えてほしかった。私は何年も“人殺し”扱いなので。くそっ」 3日間にわたる被告人質問が終わり、11月18日の次回の公判は、検察側の論告求刑と弁護側による弁論、被告人による最終陳述が行われ、裁判は結審します。 あくまで“潔白”を主張する被告と弁護側に対し、状況証拠の積み重ねと供述の矛盾点を突くことで有罪を立証しようとする検察側―。 双方の主張が真っ向から対立する中、裁判官と裁判員はどのような判断を示すのでしょうか。 判決は12月12日に言い渡されます。