JPモルガン、通期の純金利収入予想を上方修正-金利の恩恵続く
(ブルームバーグ): JPモルガン・チェースは20日、通期の純金利収入見通しを引き上げた。米連邦準備制度が金利を据え置く中、大手米銀が金利の恩恵を受け続けると考えていることを示唆する。
通期で見込む純金利収入は910億ドル(約14兆1700億円)とし、先月の1-3月(第1四半期)決算発表時に明らかにした約900億ドルの予想を上方修正した。
JPモルガンは年次の投資家デー向けに用意したスライドの中で、最新の通期業績予想を明らかにした。
通期の費用の見通しも920億ドルに引き上げた。今月発表したJPモルガン・チェース財団への約10億ドルの寄付を反映した。この寄付は保有する米決済大手ビザの普通株交換取引に関連しており、「今後数年」分の寄付を前倒しで行うものだとJPモルガンは当時説明していた。
JPモルガンなど大手米銀は数年にわたり金利上昇の追い風を受けてきた。だが根強いインフレが続き、米金融当局が利下げを見送る中で、顧客が借り入れを控え資金を利回りの高い投資対象に移す動きが見られ始めている。
これが純金利収入を圧迫しつつある。JPモルガンの今年1-3月(第1四半期)の純金利収入は前年同期比11%増の231億ドルだったが、7四半期連続の過去最高更新とはならなかった。
原題:JPMorgan Lifts Full-Year NII Guidance Ahead of Investor Day(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Hannah Levitt