8年ぶりに旗判定復活の柔道全日本選手権が29日開幕 羽賀龍之介「感慨深い」
体重無差別で柔道日本一を争う全日本選手権は29日に日本武道館で行われる。28日は東京・文京区の講道館で有力選手が会見を行った。 今大会の最大の注目はルール変更だ。17年に取りやめていた旗判定が8年ぶりに復活。昨年まで4分以内に決着がつかない場合に突入したゴールデンスコア方式による延長戦は廃止。試合時間は4分から5分(決勝は8分)に延び、反則負けとなる指導の数も3から4に変わる。 近年は最重量級の代表選考を兼ね、国際大会にほぼ準じたルールで行われてきたが、伝統の大会の光景が復活。出場選手最年長で2016年大会以前を知る33歳の羽賀龍之介(旭化成)は「こうやって戻ってきたことが選手として感慨深い」としみじみ。昨秋に全柔連強化指定の辞退届を提出し、この大会に懸けてきただけに「全部出しきって、優勝目指して頑張りたい」と意気込んだ。 新ルールに対し、前回王者の王子谷剛志(旭化成)は地区予選に出場した選手から情報収集して準備していることを明かした。旗判定では「有効打を取って、どの人が見てもこの選手が勝っているというところを見せることが重要」とポイントを挙げた。原沢久喜(長府工産)は「自分の展開をいかに作って試合を進められるか」とイメージし、影浦心(日本中央競馬会)も「5分間の中でどれだけ自分のペースを多く作れるが鍵」と同様の見方を示した。 一方、階級が下の選手にとっては勝機が広がるとの見方もある。90キロ級で初出場の18歳・川端倖明(国士舘大)は「中量級の自分には、とても有利になったんじゃないかなと思う。不利な状況でも技をかける展開を作ったり、積極性をアピールできるような試合展開を考えている」と意気込んだ。
報知新聞社