出場3試合連続優勝! 絶好調のネリー・コルダのスウィングをAIで分析
胸と骨盤の左右差がドローボールのカギ
そしてダウンスウィングからインパクトを見てみましょう。ココでも「胸と骨盤の左右差」は大きいですが、「骨盤の動き方」にも注目です。まずインパクトでの「胸と骨盤の左右差」は、-27.6cm(胸が右)と先程のトップより更に左右差が広がっています。このインパクトでの-27.6cmという左右差はLPGAツアーレンジ(-11.7cm~-16.8cm)と比較してもかなり広めです。この「胸と骨盤の左右差」が広いほど、スウィングはインサイドアウトの軌道になりやすいのがスポーツボックスAIの研究で分かっています。ドローヒッターのコルダらしい特徴の1つと言えます。
ココでもう1点、特徴的な骨盤の動きをご紹介します。トップでも取り上げました「PELVIS SWAY」(骨盤の左右の直線運動)に注目して下さい。ダウンスウィングでクラブが地面と平行のポジション(P6)で骨盤は+11.6cm(左)に位置していますが、インパクトでは+10.7cm(左)と、インパクトにかけて右に戻り始めているのが分かります。これは骨盤が左に移動した後で回転、そして伸展という順番で動くことで発生する運動連鎖ですが、同時にこの動きには振り遅れを防ぐ効果があります。コルダのように胸と骨盤の左右差が広いインパクトは、インサイドアウト軌道を作りやすい反面、フェースが開きやすく振り遅れのリスクも伴いますが、P6からインパクトにかけて骨盤が回転と伸展に伴って右に戻ることで、フェースはスクエアに戻りやすくなりますので、振り遅れることなくドローが打てるのです。持ち球がドローで振り遅れに悩んでいる人は参考にしてみて下さい。
今回はネリー・コルダのスウィングを分析させて頂きました。出場試合3試合連続優勝で、世界ランク1位に返り咲いたコルダ。マスターズ翌週に開催される女子メジャー初戦「シェブロン選手権」に向けて、絶好調のネリー・コルダに注目です!
北野達郎