ハラスメントに揺れた東郷町、町民の選択は? 前議長か前副町長か
町職員に対するハラスメントが認定された前町長の辞職に伴う愛知県東郷町長選は9日、投票があり、午後9時から開票作業が始まる。選挙戦には、いずれも無所属新顔で前町議会議長の石橋直季氏(38)と前副町長の近藤悦規氏(60)の2氏が立候補しており、午後11時ごろに大勢が判明する見通し。 【写真】第三者によるハラスメント相談窓口の設置などを呼びかける石橋直季氏=2024年6月4日午前9時59分、愛知県東郷町内、松永佳伸撮影 今回の選挙戦は、前町長にハラスメントを受けた職員への対応や再発防止策などを巡って激しい論戦が繰り広げられてきた。 町議を3期約10年務めた石橋氏は、「ハラスメントは前町長が一人で起こした問題」と語り、「被害を受けた職員から思いを聞き、第三者の相談窓口を設け、ケアする態勢を整えたい」と訴えてきた。ハラスメント被害へのケア態勢の構築のほか、小中学校のトイレ洋式化や町民との意見交換会の実施などを訴えている。 副町長をはじめ、38年間の行政経験を強調する近藤氏は、「新しい町政はマイナスからのスタートになるが、逆風を追い風にするのが私の責務」と語り、ハラスメントを二度と起こさない職場づくりを進めると訴えた。通学路への防犯カメラ設置、中学校の少人数学級導入などを公約に掲げた。 前町長のハラスメントを巡っては、昨年11月に事案が発覚。弁護士でつくる第三者委員会は今年4月、職員108人に対するパワハラやセクハラを認定した。前町長は5月2日に辞任した。 当日有権者数は3万4305人。
朝日新聞社