ムニューシン氏、TikTok買収に意欲-投資グループ結成へ
(ブルームバーグ): ムニューシン前米財務長官は動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」禁止法案が米下院で可決された翌日、TikTok買収を目指す意向を示した。
ムニューシン氏は14日のCNBCとのインタビューで、TikTok買収についてパートナー候補と協議していると語ったが、具体的な内容については明言を避けた。
下院を通過したTikTok法案は親会社の中国の字節跳動(バイトダンス)が同アプリを手放さない限り米国内での利用を禁止する内容。議員らはTikTokを通じて中国政府が米国民に影響力を及ぼしていることを懸念している。
TikTokについてムニューシン氏は「素晴らしいビジネスだ」と発言。「米国の企業が所有すべきだ。中国も国内で米国企業にこのようなことはさせないはずだ」と語った。その上で、バイトダンスから切り離されればTikTokは米国の技術で作り直されるだろうと話した。
同氏は自身の計画ではどの投資家もTikTok株を10%以上所有することはなく、既存の投資家には新しい所有権に移る選択肢を与えられると述べた。また技術移転がない限り、中国政府はTikTokの売却を支持するだろうと語った。TikTokの担当者にコメントを求めたがすぐに返答はなかった。
ムニューシン氏がTikTok買収を実行した場合、米地銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)への10億ドル(約1480億円)出資主導に続き、同氏の取引に注目が集まることになる。
投資会社リバティ・ストラテジック・キャピタルを率いるムニューシン氏がTikTokを買収できるかどうかは不透明だ。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)はTikTokの米国事業の評価額を350億-400億ドルと推定している。リバティ・ストラテジックは2021年に約25億ドルを調達しているが、TikTok買収には複数の投資家の参加が必要になる。