ロビンフッド、クラーケン、パクソスなど暗号資産大手企業が新ステーブルコイン「グローバル・ドル」を支援
暗号資産(仮想通貨)業界の有力企業のグループが、新たな規制重視型ステーブルコインであるグローバル・ドル(USDG)を支援している。USDGは、準備資産から得られる利回りを、その普及加速を支援をする参加者に還元することを目指している。 このグループはグローバル・ドル・ネットワーク(Global Dollar Network)と呼ばれ、当初のパートナーは、アンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)、CoinDeskの親会社ブリッシュ(Bullish)、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)、クラーケン(Kraken)、ヌーベイ(Nuvei)、パクソス(Paxos)、ロビンフッド(Robinhood.)。 プレスリリースによると、USDGはシンガポールでパクソスによって発行され、シンガポール金融管理局の今後のステーブルコイン規制の枠組みに「実質的に準拠」している。 パクソスのチャールズ・カスカリラ(Charles Cascarilla)CEOはインタビューで、「これは本当にコミュニティトークンとなることを意図している」とし、「誰でもグローバル・ドル・ネットワークに参加し、活動に対する報酬を得ることができる。我々は経済性の約97%を分配している。これは、これまでの他のステーブルコインの構築方法や創設方法とは大きく異なる」と述べた。 ステーブルコインは大きなビジネスであり、これまで大手企業2社に支配されていた。他に大差をつけて最大のステーブルコインとなっているテザー(USDT)を発行するテザー(Tether)と、次に大きいUSDコイン(USDC)を発行するサークル(Circle)だ。今回のUSDGとは異なり、テザーとサークルは両社とも準備金からの利息をすべて保有している。利回り共有型のステーブルコインはほかにもあり、M^0プロジェクトのようなプロトコルレベルでの興味深いイノベーションもある。 カスカリラCEOは、「多くのステーブルコインと同様に米国債である、USDGの準備金から生み出される収入は、参加企業間で分配される。その方法は、これらの企業が接続性と流動性を創出できる方法に基づく」と述べた。 カスカリラ氏は、「参加者がネットワークの有用性を高めるのに役立つ活動に対して報酬を得られるようにこれを構築した」とし、「いくつかの活動が対象になる可能性がある。参加者はそれぞれ異なる方法で報酬を得ることができる。なぜなら、全員が同じことをするわけではなく、それが実際に繁栄するエコシステムを作り出すからだ」と述べた。 USDGは、プラットフォームのエンドユーザーではなく参加企業に報酬を与えることで、アメリカの全50州で営業しているアンカレッジなどの流通パートナーの拠点を通じてアメリカで利用可能だ。 立ち上げ時には、東南アジア最大の資産を持つDBS銀行が、USDGの準備金の現金管理とカストディのための主要な銀行パートナーとなる。 |翻訳・編集:林理南|画像:パクソスCEO(Danny Nelson/CoinDesk)|原文:New Global Dollar Stablecoin Backed by Robinhood, Kraken, Paxos and Other Crypto Heavies
CoinDesk Japan 編集部