オンリーワンな存在だった真島茂樹さん 愛ある言葉の数々には感謝の気持ちしかない
【こだわりの極意】 不思議な夢を見た。 ダンサーで振付師の真島茂樹さんと、何かのミュージカルの打ち上げをやっている夢だ。 【写真】「マツケンサンバⅡ in東京ドーム」で松平と一緒に踊る真島さん 何をしゃべったかは覚えてないが、何かのあいさつの後、僕が「今日は僕の友達が送ってくれたイクラがあるんで皆さん、どうぞ食べてください!」と言うと 真島さんが「アタシ、魚卵が好きなの~。なんでそんなことするの~!」と感涙している。それを見て僕も泣く…と、ここで起きた。 思い起こせば 初舞台の「王様と私」で、劇中劇の王様をやられていたのが真島さんだった。 その時、舞台はズブの素人だった僕に「王様~♡」とか「ステキ♡」と盛り上げてくれたが、再演を重ねるごとに少しずつ叱咤(しった)激励に変わっていきました。ホントにためになる、愛ある言葉の数々には感謝の気持ちしかありません。 僕も含めアンサンブルの若い男優女優がいるときは「あーたたち、いつどの役の俳優がけがしたり、病気になったりするか分からないんだから、自分の出番がないときでもボーッとしてないで、いつでも〝俺やれます! 私できます!〟って言えるよう、自分がやりたい役のセリフ覚えときなさい! っていうか、常に〝この役、オレが! 私が! とってやる!〟っていう気で稽古場にいないとダメなの!」とハッとさせられる言葉もしばしば。 そうかと思うと、とびきりの笑顔で「日劇に出てたときはさ~、ホントはいけないんだけど、終わってババっと着替えて、水もなんにも飲まず、うがいもなんにもしないで劇場の向かいのビアホールに行って、生ビール、グビーってやってたの~! もうっ、それが最高で! それだけが楽しみだった~!」と、うんうん、そうですよね! それ最高ですよね! というエピソードも聞かせてくれるなど、ホントに厳しくも興味深い話ばかりで楽しませてくれました。 女性ダンサーたちにも、振付の森田守恒先生とともに劇中劇のタイの舞踊の指がそりかえる手の動きに「もっとそりかえらない?! できるでしょ?!」とビシバシ指導していましたし、まさに生きるレジェンドでした。 顔で円を描く動きも「だから! 鼻でやるのよ! 首を回すんじゃないの!」と黙ってられないといった感じで、教えられることはすべて教えるという、あの姿勢もすごかったな。