山内日菜子、クラブに詳しい父の目利きで復活「任せてから楽になった」【勝者のギア】
<伊藤園レディス 最終日◇10日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6769ヤード・パー72> 優勝スピーチ中に涙を流す山内日菜子【写真】 首位と1打差で出た山内日菜子が5バーディ・ボギーなしの「67」をマーク。トータル14アンダーで逆転し、昨年の「アクサレディス」以来となる2勝目を果たした。大会開幕前までメルセデス・ランキング73位と低迷していたことについて、山内は「自らクラブ構成を決めたことによる迷走」と、理由の一つに挙げる。 「あまりクラブのことが分かってないから、これまではそんなに替えてこなかったんです。ただ、(レギュラーツアーの)試合に出ると、毎週(メーカーの)バスもあって、そこで話をするうちに『やってみようか(クラブを試していこうか)』という流れになったんです。あまり父に相談せずに替えていたところがあって、自分の中で無茶苦茶というか、『良かったのって、なんだっけ?』となってしまっていました」 テーラーメイドの担当者に聞くと、例えばドライバーのヘッドは同じ『Qi10』でもモデル違いを試しては替えるという状態だった。それに加えてシャフトを何本も試し、組み合わせていったことで迷路にハマってしまった。 それを見かねた父・克則さんが『一回言うことを聞いてみて』と、山内に合うものを選び“大改造”したのが9月の「ゴルフ5レディス」だった。するとここで2位と即効性はバツグン。この時のことを山内は「そっち(クラブ)は任せていいんだって思えたので、すごく楽になりました」と振り返る。 さらにそのなかで、父はシャフトの軽量化も提案。山内はこれについて「自分のなかで振れているつもりが、客観的に見るとあまり振れていなかった。父が『軽いほうが操作しやすい』という案を出してくれて、実際に操作しやすくなりました」と明かした。 そして、これもゴルフ5レディスで「ずっと50グラム台でした」という1Wと3Wのシャフトを40グラム台にし、操作性に特化。軽いがハードな「軽カタ」のものを装着すると、「軽めのものを使ってみて、こんなにゴルフが楽なんだって痛感しました」という効果があらわれた。 パターは『スパイダーツアーX X7』を昨年から使用。本人も「エースです」と信頼を置く一本だが、クラブを替えたことでショットがまとまるなか、「ここ1、2カ月は、なかなかパットが決まってくれなかった」とグリーン上の悩みが消えなかった。しかし、今週はパット数の3日間トータル平均が『26.67』で全体1位になるなど「上手く決まってくれました」。ここも勝因になった。 ちなみに、スパイダーの気に入ってる点については「スムーズに動かせるというか、変な動きをしたら自分で分かる。スパイダーの形のまま、真っすぐのストロークのイメージで打てるので、ミスヒットした時は自分のせいというか、変な動きをしちゃったなと思える。ミスが少なくなるパターかなと思っています」と話していた。 【山内日菜子の優勝ギア】 1W:テーラーメイド Qi10(10.5°/スピーダーNXグリーン 40S/45.5インチ) 3W:テーラーメイド Qi10フェアウェイウッド(16.5°/スピーダーNXグリーン 40S) 7W:テーラーメイド Qi10フェアウェイウッド(21°/スピーダーNXグリーン 50S) 5、6、7UT:テーラーメイド Qi10レスキュー(25°、28°、31°/MCH 50S) 7~PW:テーラーメイド P770(MCI 60S) W:テーラーメイド ミルドグラインド4(50°、54°、58°) PT:テーラーメイド スパイダーツアーX X7 BALL:テーラーメイド TP5X