「肉まんには酢じょうゆ」絶対に譲れない九州の食文化の謎に迫る いまや大手コンビニも「提供推奨」
「ないと寂しく悲しい」
〈肉まんって言うたら決まっとろうもん!! 酢じょうゆ!!〉。東京の高校生で福岡出身の「博多乃どん子ちゃん」が、戸惑う同級生に力説する。「福岡あるある」が満載の漫画「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」の一幕だ。 作者の新島秋一さん(35)は福岡県出身で県内在住。ご当地ネタを探す中で「全国的には酢じょうゆが『当たり前ではない』と知って驚いた」という。自身も必ず付けるといい、「酢じょうゆがないと、肉まんを食べている感じがしなくて寂しいし、悲しい」。 東京在住の福岡出身者らでつくるコミュニティー「リトルフクオカ」には、遠い故郷への思いを込めたオリジナルダンス「福おどり」がある。出だしは〈花の東京 出てきてみれば たまがるこつの 多かげな〉。作詞を担った福岡県大牟田市出身のクリエーティブ・ディレクター道山智之さん(56)は、その一つとしてコミュニティーのメンバーたちが日頃から痛感しているという一節を盛り込んだ。 〈肉まんに酢醤油 ついてなか〉 かくも福岡出身者の酢じょうゆへの愛着は強い。