「よし仕事辞めよう」警察官・保育士・サラリーマン・・・安定した職業を捨てた異色の大道芸人「僕はいま、幸せです」
警察官や保育士などを経て、大道芸人になった男性がいます。「仕事をやめよう」と決断してから約10年、今年ギネス世界記録TMを樹立しました。「好きな事で生きていく」と誓った男性が目指す大道芸とは。 【写真で見る】道の駅で開催されたパフォーマンスショー
3年がかりで達成した「55・81秒」の記録
「スーパー大道芸人KAJI」として活動する梶栗正充さん(39)大道芸を次々と披露し、観客を楽しませます。梶栗さんは、今年6月、あるギネス世界記録を樹立しました。 大道芸人 梶栗正充さん 「ローラーバランスという演目があってその上で逆立ちをしてどれだけ耐久できるかという世界記録になります」 直径約15センチのカーボンでできた筒の上に縦20センチ横50センチほどの木の板を置き、その上で逆立ちをした時間を計測するというものです。3年がかりで達成したというギネス世界記録、その時の映像を見せてもらいました。逆立ちを続けること55.81秒。最後は崩れ落ちるほど体力を消耗しています。 大道芸人 梶栗正充さん 「承認されましたよと言うのがまずはメールで来るんですけど、開いたときに「わあ!」って叫びましたね『やったー』みたいな」
異色の経歴
梶栗さんが大道芸人になったのは27歳の時、それまでは全くの門外漢でした。 高校卒業後1年間、警察官として勤めたあと、アルバイトを掛け持ちしながら学費を貯め20歳の時に専門学校に入学。2年かけて卒業し、保育士と幼稚園教諭の資格を取得しました。保育士として働いた後、児童館に勤務し、そこで子供たちが喜ぶ「バルーンアート」に出会います。この頃から芸の深みにはまりました。 その後会社員として工場勤務も経験しますが、当時を振り返りこう話します。 大道芸人 梶栗正充さん 「会社員とかやってみましたが、歯車として回っていくというのが僕自身苦手なタイプでした」 紆余曲折を経て、自分は「大道芸が好き」だということに気づいたといいます。
夕日に照らされた雲をみて決断した
大道芸人 梶栗正充さん 「大道芸で月10万円ぐらいなんとか稼げればご飯食べられるんじゃないかと計算して考えて、悩んでいて。空を見上げた時に、夕日に照らされていた雲が見えました。その雲の形が龍の形で、赤い龍になっているんですけど、夕日で、めちゃくちゃかっこよくて、『よし仕事辞めよう』と思ったんです」