スペインに終止符を打たれた究極の石器文明…最先端技術との誤差「わずか0.0002日」マヤ文明の残した地球の公転観測が衝撃的レベルだった
あの時代になぜそんな技術が!? ピラミッドやストーンヘンジに兵馬俑、三内丸山遺跡や五重塔に隠された、現代人もびっくりの「驚異のウルトラテクノロジー」はなぜ、どのように可能だったのか? 現代のハイテクを知り尽くす実験物理学者・志村史夫さん(ノースカロライナ州立大学終身教授)による、ブルーバックスを代表するロング&ベストセラー「現代科学で読み解く技術史ミステリー」シリーズの最新刊、『古代日本の超技術〈新装改訂版〉』と『古代世界の超技術〈改訂新版〉』が同時刊行され、続々と増刷しています! 【画像】2500年も置き去りにされていた「地面に鎮座する巨大な頭」がこちら それを記念して、両書の「読みどころ」を、再編集してお届けします。今回は、メキシコの南東部、グアテマラ、ベリーズなど、現在マヤ地域と呼ばれる地方を中心に繁栄したマヤ文明を取り上げます。
完全なる石器文明――マヤ文明
メキシコ湾岸の低地南部で“メソアメリカ文明を生み出した母胎”であるオルメカ文明が栄えたのは紀元前1200~紀元前400年頃と考えられる。時期的には一部重なるが、紀元前1000年頃からスペインに侵略・破壊される16世紀まで、2500年以上の長きにわたってマヤ高地とマヤ低地で栄えたのがマヤ文明である。 後述するように、マヤ文明は16世紀以前の南北アメリカ大陸で最も発達した文字体系、算術、天文学、暦を築き上げた。 ところで現在、「マヤ文明」を考えるとき、ユカタン半島を中心とする「マヤ世界」を大きくマヤ低地南部、マヤ低地北部、マヤ高地の三地域に分けるのが一般的であるが、「マヤ民族」という単一民族が存在するわけではない。また、標準語としての「マヤ語」も存在せず、近隣地域間以外では会話はほとんど、あるいはまったく成り立たないといわれる。 「マヤ」とは外国人(スペイン人)につけられた名称であり、「マヤ地域」に居住する先住民が「マヤ人」である。ここで述べる「マヤ人」もこの意味である。マヤ文明がいかなるものであるかについては、青山和夫茨城大学教授の数々の白眉の書などに余すところなく述べられている。
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