「小道具係に1年6ヵ月の実刑が…」7月開廷のアレック・ボールドウィン「映画“誤射事件”への影響」
’21年、西部劇映画『ラスト』(原題:Rust)の米ニューメキシコ州での撮影中に、主演のアレック・ボールドウィンが撃った小道具の銃に実弾が入っていて、撮影監督ハリナ・ハッチンスさんの胸に当たり死亡した事件で、過失致死罪で訴追されたボールドウィンの裁判が7月に行われる。 キアヌ・リーブス 日本でどうしても食べたかった「大好物」お忍びディナーを発見撮! ボールドウィンといえば、『レッド・オクトーバーを追え!』(’90年)のジャック・ライアン役で注目され、『The Cooler』(’03年)でアカデミー賞の助演男優賞にノミネート。またテレビドラマ『30 ROCK/サーティ・ロック』(’06年~’13年)でプライムタイム・エミー賞コメディ部門主演男優賞を受賞するなど、ハリウッドでは大物俳優としての地位を築いている。 同事件では4月15日(現地時間)、同州の連邦裁判所は小道具の武器担当のハンナ・グティエレス=リード被告に過失致死罪で禁錮1年6ヵ月の実刑判決を言い渡した。同様に過失致死罪で訴追されたボールドウィンの裁判に、小道具担当の判決が影響する可能性があるとみられている。 米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、裁判所のメアリー・マーロウ・ソマー判事は、リード被告に対し、 「安全な武器を致命的な武器に変えた。重大な暴力犯罪にあたる」 として禁錮1年6ヵ月の判決を言い渡した。 映画『ラスト』の誤射事件は’21年10月に米ニューメキシコ州のロケ地でのリハーサル中に起きた。 教会のセットでボールドウィンが小道具の銃を発砲した際に実弾が発射され、近くにいた撮影監督のハリナ・ハッチンスさん(当時42)の胸に当たり死亡。彼女の体を貫通した銃弾が近くにいたジョエル・ソウザ監督の肩に当たり負傷した。 ボールドウィンは米ABCニュースのインタビューで 「銃に実弾が入っていたとは知らなかった」 などと語り、ハッチンズさんの死は事故であり、自分に責任はないと主張。スタッフは小道具の銃に実弾が入っていないこと、適切に空砲が装填されていることを確認するべきだったと主張した。 また、引き金は引いておらず、拳銃の撃鉄を戻した後、銃が勝手に暴発したなどと主張していた。 現地の検察当局は’23年3月に過失致死罪でボールドウィンと小道具の兵器担当のリード被告を訴追したが、同年4月にボールドウィンの訴追を取り下げた。証拠不十分などと報じられた。 ところが今年1月、検察がボールドウィンを再び過失致死罪で訴追して7月に裁判が行われることが決まった。新たな証拠が出てきた可能性も取りざたされている。 また、ボールドウィンは同作に主演しているだけでなく、エグゼクティブ・プロデューサーも務めており、映画の撮影全般に対する管理責任が問われる可能性がある。小道具係に実刑判決が出たことからも、楽観視はできないだろう。 ハリウッドスターを巻き込んだ主演映画の撮影中の誤射死傷事件。はたして、陪審員はボールドウィンの過失致死罪についてどう判断するのだろうか――。 文:阪本 良(ライター、元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長) 現在はWebマガジン『PlusαToday』を始め、芸能、映画、ハリウッド情報などの記事を執筆。日本映画ペンクラブ会員
FRIDAYデジタル