【衝撃】「小学校1年生から酒浸り」「川崎では喧嘩無双」…令和ヤンキーの「ヤバすぎる暴露」
ケツモチの「管理・統制」
だが、同世代から恐れられる大翔ですら、「ケツモチ」はいるという。ケツモチとは、いわゆる後ろ盾のことで、かつてはヤクザ、現在は半グレであることが多い。 実は、川崎の暴走族にはいずれもケツモチがおり、彼らに厳しく管理・統制されている。大翔はこう続ける。 「このあたりでケツを持ってない子がヤンチャ(危険走行)してたら、止められて『ケツどこ?』って聞かれますよ。すぐ答えられないとカツアゲされてバイクを没収された挙げ句、別の暴走族に吸収されてしまいます」 他の若者にも話を聞くべく、川崎市内を散策してみた。次に声をかけたのは、産業道路沿いのコンビニで休憩していた17歳の少年だ。そばにはロケットカウルを装着したホンダの旧車バイク(VT250F)がある。ドカジャンにツバのついた半帽(半キャップ)を被った彼の身なりは、その昔の暴走族そのものだ。 バイクの写真を撮ろうとすると「ヤメてくれ」と断られた。ただ、端正な顔つきで目つきはそれほどグレていない。近くに仲間もいないので「バイクかっこいいね」と声をかけてみた。 「バイクは先輩からのお下がりで安く買ったものだ。元々が不動車(事故や故障により動かなくなった車)だったので、エンジンを乗せ替えてナンバーを取得し、走れるように整備してもらった。整備をしてくれたのも先輩の仲間。月に三万円の代金はまだ支払っている途中。任意保険は加入してない」
練馬を席巻する「ネリキュー」
彼の住まいは川崎郊外。バツイチの母親と義理の父親と同居しているという。義理の親父からは蹴られたり、殴られることが日常茶飯事だ。中学時代から不登校で、15歳のときに喧嘩し、商店街の十数軒の店のガラスをバットで割ったことで、鑑別所送りになったという。 二ヶ月間、鑑別所で過ごしたあとは家を出て、保護司との連絡や面会もバックれていた。ただ、自宅に警察官が探しに来て母親が騒ぎ立てたので帰宅。こうして今に至る。 「いまは先輩の経営している土木会社で働いている。まだ未成年なので大きな現場ではなく、近場の手伝いが多いかな。一輪車でガラ運んで捨てたり、掃除や誘導などが主な業務。まだ社員ではないが、もう少し現場経験を積んだら正社員になってユンボの資格など色々と取りたい。資格がないと何もできない。 自分のいる会社は小さいところで保険なども何もない。怪我をしたらおしまい。解体が儲かると聞くので、本当は別の先輩が働く解体屋で仕事したいけど、社長に詰められるので辞められない。 この街では不動産屋にラーメン屋、居酒屋、風俗店、自動車屋、保険屋、タクシーなどすべての業界で誰かが繋がっている。たいていはヤクザが仕切っている。独立して生活するには何かの技術がないと厳しいんだ。 ただ、川崎にも良い面はあるよ。生きていくには困らない。裏切らなければ、必ず誰かが助けてくれる。仲間や先輩は必ずいるし、女にも困らない。だけど、ここで子供作って育てていくことは想像できない。俺がどこで何をしているか、誰とつるんでいるのかなど全部バレているからね」 場所を移して東京でも、背後に大人がいるという構図は変わらない。 前述した「練馬喧嘩會」について取材するため練馬に向かったところ、深夜の川越街道を改造車で走っている若者を多く見かけた。街道沿いにあるドン・キホーテを散策していると、10代の関係者たちに話を聞くことができた。 「ネリケン(練馬喧嘩會)は有名ですよ。5年ほど前にできた暴走族で、ケツモチはネリキュー(練馬旧車會)です」 一般的に旧車會とは、旧車のバイクに改造を施して、安全に集団走行を楽しむ団体だ。ただし近年は、暴走族や半グレとの境界線が曖昧な集団も存在する。実質的には暴走族なのに、警察の摘発を恐れて「旧車會」と名乗るグループもある。この関係者はこう続ける。 「ネリケンのメンバーの大半は高島平団地出身。普段は上板橋から高島平あたりを走りながら『地回り』という名のパトロールをするんです。コルク狩り(コルク製のヘルメットを被るバイク乗りを襲撃)はもちろん、ノッペ(ノーヘルメット)の子を見つけたらバイクを止めさせてタイマンを張る。PC(パトカー)を 煽って逃げる『ポリ鬼』も頻繁にやっていました」 「週刊現代」2024年10月26日・11月2日合併号より 後編記事『「名古屋ではヤクザ2世と半グレ2世が抗争」「大阪では半グレが群雄割拠」…恐ろしすぎる令和ヤンキーの「裏事情」』へ続く
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)
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