人間性が丸わかり…「品格のある質問」「品格のない質問」の違いとは?【カウンセラーが解説】
質問した相手がせっかく説明してくれても、その内容がよくわからない…。そのようなシチュエーションは、日常生活やビジネスシーでもしばしばあるのではないでしょうか。しかし、相手に「わからない」ということを伝えてさらなる回答を促す時の言葉選びに、人間性が出てしまいます。※本連載は桐生稔氏の著書『質問の一流、二流、三流』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。 【マンガ】精神科医が「日本に精神病患者がもっと増えればいい」と願うワケ
家電屋さんで質問するも、専門用語炸裂の説明に困惑…
三流は、「言っていることがよくわかりません」と言い、 二流は、「つまりこういうことですよね?」と質問し、 一流は、どのように質問する? 質問に答えてもらえるのは嬉しいことです。 でも、時々困ることがあります。それは、相手の言っていることがよくわからないときです。 先日、家電屋さんに照明を買いに行ったときのこと。 店員さんに、「動画撮影用の照明はありますか?」と質問したところ、「こちらなんていかがでしょう? 850ルクスですから結構明るいですよ。こちらは1200ルクスなんで、少しお値段は張りますがかなり明るいです。それから……」と、説明が続きました。 私はずっと「ルクスって何?」ということがひっかかって、説明が入ってきませんでした。 質問に丁寧に答えてくれているのに、話がマニアックすぎてよくわからなかったり、結論が見えてこなかったり。 そんな回答をされたときの対応によっても、品格に差が表れます。 ストレートに、「言っていることがよくわかりません」と言ってしまえば、相手を傷つけてしまいます。ギクシャクしてその後の会話はスムーズに進まなくなるでしょう。 「つまりこういうことですよね?」と相手の話を要約するのはどうでしょうか? 一見よさそうですが、実はこれも危険です。 2015年に、マイナビが社会人490名に実施した調査によると、「会話を『つまり……』とまとめ直されるとイラッとする社会人は約6割」とのこと。理屈っぽさが面倒くさい、上から目線に感じるからだそうです。 ◆心がけたいのは「相手の立場を上げる」質問 相手を傷つけてはいけない。 これは一流が細心の注意を払っていることです。傷つけた方は覚えていないですが、傷つけられた方はずっと覚えていることを知っているからです。 だからこそ、相手の話がわかりづらかったときは、「つまり〇〇ですよね?」ではなく、「〇〇という理解で合っていますでしょうか?」と質問します。 「つまり〇〇ですよね?」は、私があなたの意見をまとめてあげたという態度です。 一方、「〇〇という理解で合っていますでしょうか?」は、私の理解が及んでいないかもしれないので、あなたに教えてほしいという態度です。 前者は自分の立場を上げる、後者は相手の立場を上げる質問です。根っこの真意が違います。 「つまり営業部に問題があるってことですよね?」を、「営業部に問題があると理解したのですが、認識は合っていますでしょうか?」に。 後者は相手を傷つけません。「あなたの意見を正確に理解したいので、答え合わせをさせてほしい」と相手を敬うスタイルだからです。 相手の話がわかりづらいのは、相手が悪いのかもしれません。 そんなときでも相手の立場を上げる。本当に優しい人はそういう人だと思うのです。 【Road to Executive】 一流は、自分の理解が合っているか質問する ★相手の話がわかりづらくても相手の立場を上げる 桐生 稔 株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役 日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー 日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー 一般社団法人日本声診断協会音声心理士
桐生 稔