日本では「治療の手立てがない」 小児がん再発の少女が挑んだ"治療の壁"と家族の願い
パパとの再会
言葉の壁で病院スタッフと細かくやりとりできず、募る不安。 そんなとき、待ちに待ったパパとの再会。 「がんばったね」(将さん) 必死にがんばる娘の姿を目に焼き付け、将さんはイタリアを後にしました。
治療が終わり4カ月ぶりに帰国
「もう待ちに待った感じです」(将さん) 6月11日は、親子にとって忘れられない日となりました。 羽田空港に到着した、ちひろちゃんと母・祐香子さん。 「夢かな、現実かなって分からない感じの。変な感じがします。ほっとひと安心、『やっと帰ってこられた』という思い」(祐香子さん) 「久しぶりの日本だなって、うれしい」(ちひろちゃん) 出発前より8キロほどやせましたが、イタリアでの治療が一通り終わり、4カ月ぶりに帰国しました。
CAR-T細胞療法の効果で、がんは確認できないほどに
「今回の治療は、自分たちがやりたい治療を、皆さんのご支援でできたことなので。感謝の気持ちでいっぱいです」(祐香子さん) その1週間後に、ちひろちゃんは診察のため名古屋へ。 CAR-T細胞療法の効果でがんは、確認できないほどになっていました。 「イタリアに行けたことも、治療ができたことも、先生たちとみんなのおかげだからよかったなって」(ちひろちゃん)
「4年生になったら帰ってくるよ」
今後は、埼玉県の自宅で体調管理などを続け、小学校へ戻る予定です。 “4年生になったら帰ってくるよ” これは、入院前にした友だちとの約束でした。 「学業や運動を、同じ年の子と一緒に活動していく中で、できないことよりも、できることに目を向けて、ちひろは友達と会えることとか、楽しみを見つけて生活できたらと思う」(祐香子さん) 「早く学校、行きたいな」(ちひろちゃん)
親子の願い
再発に絶望した、あの日からいくつもの壁を乗り越えてきた親子の願い。 “日本で、誰もが受けられる治療になってほしい” 「『娘を助けたい』という思いでやってきたけど、ちひろの治療が次の子につながるように。日本での新薬開発が加速したり、治療できるようになるのが早くなったり、この子のデータが、何かにつながっていけばと思います」(祐香子さん)