年収400万円の夫が「NISA」を始めました。子どもの学費も考えると普通に貯金してほしいのですが、長期で考えると「得」なのでしょうか?
2024年から新しいNISA制度が始まり、今年から投資を始めたという人も多いのではないでしょうか。資産運用は、資金が増える可能性があるため魅力的に映りますが、一方で、家計を管理している立場からは、子どもの学費や家計の安全を考えると貯金してほしいと感じる人もいるでしょう。 しかし、長期的な資産形成の観点から考えると、NISAを利用するメリットは大きいです。NISAを活用して学費を準備する可能性について考えてみましょう。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
2024年新NISAを利用する人が急増中
2024年から始まった新しいNISA制度は、従来のNISA制度を刷新し、より幅広い投資が可能となりました。図表1の通り、大きな特徴として、成長投資枠とつみたて投資枠の2つを併用できることになりました。 年間投資額が拡大され、成長投資枠は年間240万円、つみたて投資枠は年間120万円の合計360万円となり、旧NISA制度から大幅に引き上げられています。また、非課税保有枠の上限が1800万円と定められたため、売却時には非課税保有枠が復活するなど、売買の戦略も立てやすくなっています。 ほかにも、非課税期間が無期限になるなど、旧NISA制度よりも使いやすい制度になったことは間違いありません。実際に2023年末から2024年3月末までの3ヶ月でNISA口座は約200万口座が開設されています。 2023年の10~12月の増加数は約100万口座で、年後半になるにつれ口座開設数が増加しており、旧NISA制度の駆け込み口座開設があったと考えられますが、2024年の数字はそれを大きく上回っています。 図表1
金融庁 NISA特設ウェブサイト
長期投資であれば家計にとって「得」なのか?
損をすることを期待して資産運用する人はいません。また、2024年になって預金金利が上昇しつつあるといっても、金利はいまだ0.1%程度です(2024年9月2日以降のゆうちょ通常貯金金利等)。資産を増やすことを「得」とするのであれば、基本的にはNISAで資産運用するほうが「得」する可能性は高くなります。 ただし、注意が必要なのは、NISAを含む資産運用は損失がでる可能性もあるということです。例えば、2024年7月中旬から8月初旬にかけて日経平均は約4万2000円から3万2000円まで下落しました。特に8月前半の動きは顕著で、今年からNISAを始めた人の中にも大きな痛手を受けた人もいるかもしれません。 NISAや積立投資なら損をしないと考えている人もいるかもしれませんが、特に短期的な動きには注意が必要です。