京セラ・稲盛和夫氏の考え方がベース…。中小企業向け“本当に効果のある”「人事評価制度」【売上22億円企業・代表取締役が解説】
「売上を上げてきたのに、利益がほとんど変わらない。」「同じルールの下で同じ商売をしているのに、ものすごく儲かっている会社と倒産していく会社があるのはなぜか?」…このように考える中小企業の経営者やスタートアップの代表は多いでしょう。27才で売上高1億5千万円、自己資本比率15%の電気工事会社を父から引き継ぎ、その後、売上22億円、経常利益2億円、従業員240人の会社にまで成長させた株式会社九昭ホールディングス代表取締役・池上秀一氏の著書『資金繰りの不安がなくなり、自己資本比率が上がる! 付加価値額の教科書』(イースト・プレス)より、池上氏の経験に基づき導き出された経営メソッドを、一部抜粋して紹介します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
「人事評価制度」は、自社の規模感に合ったものを作成する
社内の環境整備においては「人事評価制度」も重要なものの1つです。 九昭の売上が5億円になった頃に数年間、停滞したことがありました。3億円から5億円になるときもそうだったのですが、企業の業績は「人」が育つことで上がっていきます。つまり、停滞期は「人を育てるチャンス」でもあるのですが、社員教育に関しては次回にお伝えするとして、ここでは人事評価制度についてお伝えします。 中小・零細企業で人事評価制度というと、属人性のない、小難しくて、堅苦しいもののように感じてしまうかもしれません。しかし、現実はそんなことはありません。 「人」に関してあなたが大切にしている考え方をベースに作成すればいいのです。私の場合、会社を父から受け継いで売上アップに必死になっていた頃、さまざまなビジネス書や自己啓発書を読み漁り、経営ノウハウや経営哲学を参考にしようとしました。その中でも最も共感できたのが稲盛和夫氏でした。 そもそも、人事評価の基準を作成しようと思ったのは、大手企業や中堅企業が持っているものだったからです。 実は売上3億円の頃にコンサルティングを受けて一度作成したのですが、そのときは九昭がそこまでの組織でなかったので機能しませんでした。そこで稲盛氏の考え方をベースに、自社の規模感に合ったものを作成したのです。 稲盛和夫氏の本を1冊でも読んだことがあれば、恐らく次の方程式を見たことがあると思います。 《人生と仕事の結果=能力×熱意×考え方》 稲盛氏曰く、能力と熱意には0~100点まで、考え方にはマイナス100点~プラス100点までがあり、考え方次第で人生や仕事の結果が180度変わるそうです。どれだけ能力が高く、熱意があっても、考え方がまずければマイナスの結果しか出ません。「100×100×(-100)=-100万」になるわけです。
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