中日・髙橋宏斗が由伸型フォームにした理由とは?山本由伸との独自トレーニングと開幕二軍からの復活を語る
二軍のつらさ
3月16日のオープン戦終了後、髙橋投手に対し、大塚晶文コーチと山井大介コーチから、「1回見直して来い」と二軍行きが宣告されました。 髙橋「オープン戦、バンテリンドームナゴヤでやった阪神戦。3回で代わった時に、ここで代えられるってことは、自分の中でもファームだとわかっていました」 流石に落ち込んだという髙橋投手ですが、この時、自主トレでやってきたことに手応えを感じていたそうです。二軍でも、やることは基本的に変えなかったとか。 一方、二軍の日々は毎日つらかったそうです。 髙橋「本当に朝が早かったです。毎日5時15分起きです」 朝ご飯はしっかり食べて、6時20分頃には家を出ていたそうです。つらいのは朝だけでなく夜も。 髙橋「寝るのは9時半です。もう無理でした。何もできなかったです」 早寝早起き。規則正しい生活で野球に集中していた髙橋投手でした。
シャットアウトの真相
髙橋投手は二軍にいる間、報道陣をシャットアウトしていました。その理由は? 髙橋「自分の中でも、メディアの人に対してどう喋っていいかわからなかったし、どう受け答えしたらいいのかわからなくて。野球をやってる自分で精一杯になっちゃって」 「開幕二軍どう思いますか?」と聞かれたら、どう答えるのが正解なんだろう?という迷い。 また、一軍で好調な投手陣に比べて、二軍で調整している自分が悔しくてモヤモヤする気持ちもずっとあったそうです。 メディアの向こうにはファンがいます。「その時は、いったん落ち着いた状態で喋りたかった」と振り返りました。
ここから上がる
二軍で手応えを掴んだのは4月6日のこと。四日市市で行われた福岡ソフトバンクホークス戦は、1対0で中日の勝利。この日は9回92球の完封、打たれたヒットはわずか5本で奪った三振は7つ。 100球未満で9回以上を投げ切り、なおかつ完封に抑える「マダックス」を成し遂げました。 髙橋「今年のテーマにしている『3球で追い込む』ができた。真っ直ぐで押せて上出来でしたね。この球が上でも投げられたら、ある程度形になると思えました」 そこから一軍に呼ばれて現在に至ります。現在の防御率は0.56と好投。「今シーズンは防御率のタイトルを狙いたい」と語る髙橋投手。 髙橋「出だしは遅れたんですが、チームの主軸となるぐらいの気持ちでやりたいです。チームもここから上がっていくと思いますし、首位目指して頑張りたいなと思います」 野球への誠実さがよく伝わるインタビューでした。 (尾関)