注意点やコツは? 美術専門家に聞く、アートへの良い投資法
その点、ヴィリンジャーは、作品に使われている素材を分析することも価値があると話している。 「ある種のプラスチックなど、時間の経過とともに劣化する素材もあります」と彼女は説明し、そのような作品は投資に値しないかもしれないと指摘する。 作品の金銭的価値を高めるもうひとつの要因は、その出所(所有者の歴史)と過去の展示歴である、とヴィリンジャーは付け加える。「魅力的な出所や興味深い展示歴は、すべて作品の再販価値を高めることにつながります」と、彼女は明かす。 有名なアーティストの多くは幅広い作品を残しているが、ヴィリンジャーによれば、彼らの作品群の中でも特に重要な時期だけに焦点を絞ることが有益な場合もあるという。 「アーティストの作品の中で、重要だと思われる時期に焦点を絞ることは、価値の維持にも役立ちます」
アートに投資する方法
何よりもまず、自分が好きなものに投資することが大切だ、とモース。「それが、間違った投資にならないための唯一の方法です」と、彼女は断言する。とはいえ、利益を上げることが主な目的なら、コレクションのカテゴリーをできる限り分散させることが最良の戦略だと彼女は提案している。 「どんな投資でもそうですが、リスクを最小限に抑えるには分散投資が一番です。アートに関しては、さまざまなスタイル、時代、アーティストの作品を選んでみてください。さらにアートのコレクションを多様化することは、あなたの家の空間に深みと味わいを与えてくれるでしょう」と、彼女は教えてくれた。 とはいえ、ヴィリンジャーは美術品に投資する前には、リサーチをするようにすすめている。 「アート収集を始める前に、できるだけ多くのものを見て学ぶようにしましょう。『サザビーズ』のようなオークションハウスは、初心者のコレクターにもとても親切で、今後のオークションの案内をしてくれたり、アーティストや作風についての見解を教えてくれたりしますよ」