「漏れたらなくなる」日テレが“脅して”まで『笑点』“新メンバー煽り”で噺家に強いる「ウソと沈黙」
一体、日テレはいつまで、“新メンバー煽り”を続けるのだろうか――。 『笑点』(日本テレビ系)の人選をめぐり、ふとそんなことを考えた。 【写真あり】ストーカー被害も…女性落語家・蝶花楼桃花の”美しすぎる”高座姿 「次のゴチメンバーは誰か」 「次の笑点メンバーは誰か」 は、すっかり同局のお家芸だ。 「『ぐるナイ』での“ゴチメンバーが誰になるか”は記事になることもない。というのも、対象となる芸能人の数は多く、ゴチメンバーになったからといって、なった方の人生がガラリと変わることはないからだ」 とテレビ誌ライターに聞いた。 ところが『笑点』の場合は違う。 東京と大阪で1000人ほどの落語家の中で、『笑点』の座布団を手に入れることができれば恩恵は膨大で、 「地方の落語会からのお呼びが次々にかかる。春風亭昇太さんも林家たい平さんも春風亭一之輔さんも桂宮治さんも、週末はほとんど地方の営業で稼いでいますよ」 と落語関係者は伝える。 「暇キャラで売っている三遊亭好楽師匠も、しょっちゅう地方の落語会に出演していますよ。それだけ笑点メンバーであることは稼げるということなのです」(同・落語関係者) それが笑点パワー、売れるということなのだ。 そして新メンバーの落語家、立川晴の輔(51)も、一夜にして時の人になった。 「その反響はすさまじかったようで、『メールとLINEに溺れそうです』とうれしそうにぼやいていましたよ」 と同業者である落語家がうらやましげに明かす。 『笑点』のオンエアの後、生放送の『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ系)に出演した晴の輔は、まず 「だまっていた人たち、すみません」 と謝罪の言葉を述べた。 「これがまさに“新メンバー煽り”の問題点なのです。芸人に“謝らせる”のです。もっと言えば、晴の輔さんはウソをつき続けた。誰かに“次のメンバーじゃないですか?”と振られても、“自分じゃありません”と言うしかないからですよ」(演芸ライター) 晴の輔は番組で、 「漏れたら(笑点レギュラーは)なくなるって本当に言われました」 と日テレ側に“圧力”をかけられていたことを明かしている。 「同じことは一之輔さんや宮治さんにも聞いたことがあります。晴の輔さんは放送前日に家族に伝えたと言っていますが、三平さんに至っては放送を見て初めて家族が知ったと話していましたよ。 宮治さんは、土曜日の収録と重なっていた落語会への出演を事前に断らなければならず、その際、主催者に『ダブルブッキングしていました』と平謝りしていました。そんなことを落語家に強いるのが日本テレビの“やり方”なのです」(同・演芸ライター) 日テレ側の圧による本人の沈黙。加えて、巻き添えを食う芸人がいるということも、この“ブッキング煽り”の弊害だ。 「いろんなメディアが憶測記事を書きます。今回も、女性なら蝶花楼桃花か桂二葉か、男性なら柳家わさびか春風亭昇也か……といった記事が書かれた。そこまではいいのです。 それを読んだ同業者やお客さんに彼らは『笑点メンバーですか?』といちいち確認されるんです。これには芸人もうんざりしていますよ。“自分ではない”とはっきり言ったとしても、一之輔さんもそのようにウソをついていましたから信じてもらえない」(落語関係者) ここで一息ついて、こう続ける。 「実際、直前に自身の会のPRのための会見を開いた桃花さんは『自分ではないことだけははっきりしています』と断言していましたし、司会者の春風亭昇太さんの弟子である昇也さんは、出演した落語会で『私ではありません』と言っていました。 人気商売だから、何かを聞かれて答えるのも仕事のうちですが、日テレが引っ張らずに、木久扇師匠の卒業発表後にすみやかに“後がま”を発表すればいいだけのこと。そろそろ日テレは、ゴチメンバーと笑点メンバーで引っ張ることを辞めたらどうでしょう。いつまでも平成の手法を続けることもないでしょうしね」(同・落語関係者) ここ最近のメンバーチェンジでは、林家三平、桂宮治、春風亭一之輔と連続で情報漏れはなく、鉄壁な情報管理ができていたが、今回は違った。 「放送当日の朝、『週刊女性プライム』が、晴の輔だと特定しました。スクープですよ。実はスポーツ紙には、解禁時間が午後5時37分という縛り付きで、情報は来ていましたけどね」(スポーツ紙記者) オンエア直前に、日テレの麹町で収録をし、ほぼ撮って出しで放送したにもかかわらず、情報漏洩してしまった今回。当該芸人に“沈黙”を強いる、当該芸人に“ウソ”を強いる、他の芸人を巻き込む、という“めんどくさい風物詩”もそろそろいいかな、と感じさせる今回の新メンバーの発表だった。 何はともあれ晴の輔師匠はナイスガイ! 頑張れ! 取材・文:ワタベワタル 夕刊紙文化部デスク、出版社編集部員、コピーライターなどを経てフリーランスのエンタメライターとして活動。取材対象は、映画、演劇、演芸、音楽など芸能全般。タレント本などのゴーストライターとして覆面執筆もしている
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