クマの被害対策へ ドローンの映像をAIがリアルタイムで解析しクマを探す実証試験 秋田・五城目町
秋田朝日放送
2023年秋田県内ではクマの出没や人が襲われる被害が相次ぎました。対策が急がれるなか、上空に飛ばしたドローンの映像をAI=人工知能がリアルタイムで解析しクマの姿を探す実証試験が行われました。 五城目町で町の職員や住民が見守るなか行われたのはドローンとAIを使ったクマ探知システムの実証試験です。五城目町を拠点にドローンの販売や操縦資格取得に向けた講習を行うDアカデミー東北が主催しました。 ドローンを用いたクマの探索では現状赤外線カメラで動物の体温を感知する方法が用いられていますが、この方法では動物の種類を特定できないほか体の大半が隠れていると発見が難しいなどの課題があります。 12日の実証試験では人やクマの着ぐるみ、画像などを使い現状の探索方法にAIによる映像解析が加わることでどのような効果が得られるかを様々なシチュエーションで検証しました。AIのよる映像解析は元々災害現場でがれきに埋もれた人などを発見するために開発されたもので体の一部だけが見えている状態でも何の動物かを特定することができます。 県内では2024年度10月末までの間に人身被害や農作物の被害を受けての有害駆除などで337頭のクマが捕獲されました。2023年よりは大幅に頭数が減っていますが、地域の安全を守るためのクマ対策は急務となっています。12日の試験ではAIが別の動物と認識してしまう場面がありました。今後は様々な角度から捉えたクマの映像をAIに学習させることで解析の精度を高め実用化に向けた取り組みを進めたいとしています。
秋田朝日放送