25年前に発見の小惑星、2歳の「そら」さんら命名 由来は「し」
鳥取市佐治町の公開天文台「さじアストロパーク」で25年前に発見された小惑星が、佐治町の五つの〝宝〟にちなむ「Goshinosato」(五しの里)と命名された。一般の応募の中から選ばれ、国際天文学連合(本部・パリ)での審査を経て今年11月に正式に命名された。 【写真】小惑星「Goshinosato」の軌道=鳥取市さじアストロパーク提供 「五し」は語尾に「し」がつく地域資源を指し、観察に理想的とされる夜空の「星」▽栽培が盛んな「梨」▽鳥取県東部特産の「因州和紙」▽盆石や庭石として人気のある「佐治石」▽県内外で知られる民話の「佐治谷話」。佐治町では「五しの里」を掲げた地域おこしが続けられている。 今回命名された小惑星は、アストロパークの宮本敦学芸員が1999年11月13日に発見した。直径は1.8~3.5キロと推定され、4年150日をかけて太陽の周りを1周している。 軌道が正確に分かるまで観測を続け、名前を提案できるようになったタイミングがアストロパークの開館30周年と重なった。そこで記念事業として、今年5~8月に名前を公募。全国357件の応募の中から地域の代表者らが審査し、鳥取県内外の4人から提案のあった「Goshinosato」を選考。アストロパークが国際天文学連合に提案していた。 12月20日に命名の記念品の贈呈式がアストロパークであり、提案者4人を代表して鳥取市の鷲見空良(すみそら)さん(2)が両親や兄と家族4人で参加。下田俊介所長から記念品のおもちゃや小惑星の説明パネルを受け取った。 父の智明(ともあき)さん(43)は「遠い星を身近に感じてほしいと思い、佐治に由来のある名前を家族で考えた。みんなが優しい気持ちになれる名前だと思う」。空良さんは取材に照れた様子で、「記念品をもらってうれしい?」と聞かれると「うん」。「星が好き?」と聞かれて、「うん。だいすき」と笑顔を見せた。 提案者の他の3人は20代2人と50代1人で、アストロパークは記念品として宇宙食セットなどを送付するという。 94年に開館したアストロパークで発見された小惑星はこれまで22個あり、命名されたのは19個目。(富田祥広)
朝日新聞社