大阪環状線の新型車両「323系」公開 3ドアのロングシート
JR西日本は24日、大阪市内を走る「大阪環状線」の新しい車両「323系」の完成を発表。同日午後に製造を担当した東大阪市の「近畿車輛」で報道陣向けの車両公開を行った。今年度中から2018年度までに168両投入され、オレンジ色でおなじみの現在の車両はすべて置き換えられる。
3ドアのロングシート、EB―N形装置を採用
同社によると、新型車両は「安全・安心の向上」「機器の信頼性向上」「情報提供の充実」「人に優しい快適な車内空間」の4点をコンセプトに、輸送品質の確保や快適性の向上をはかっていくという。 最高時速100キロで3ドアのロングシートを採用。また、運転士が運行中に意識を失うなどの非常事態が発生した場合、自動的に列車を停止させる「EB―N形装置」を採用しているが、同装置は、同社では初めて採用される。
2018年度までに168両投入、オレンジの旧車すべて置き換え
このほか、無料公衆無線LANサービスや、各車両に車いすやベビーカースペースや混雑車両での出入り口スペース拡大、各車両に8箇所(16画面)にわたり案内ディスプレイといった、同社の車両では初となる設備も充実している。 同線では1日約500本の電車が運行されており、その6割を国鉄時代に製造されたオレンジ色の車両103系や201系が占めているが、今回の323系を2018年度までに168両(8両編成×21本)投入予定で、103系などはすべて置き換えられることになる。
新車両投入は80年代以来、環状線プロジェクトの大きな柱
2014年に行われた323系車両発表会見などによると、同線では103系の1969年ごろ、201系の1983年ごろに投入されているとしているが、1987年にJR西日本が発足してからは初めての投入になるという。 今回は、駅の美装などを行いイメージ向上をはかる「大阪環状線改造プロジェクト」の一環として行われているが、車両投入や駅美装化などを含め、投資額は300億円超とされている。
車両はその中で最も大型な投資となる。関係者は「この車両投入がプロジェクトの大きな柱。安全な運行に努めていきたい」などと話していた。