藤井竜王、V4王手 雁木で佐々木八段下す 竜王戦7番勝負第5局
将棋の藤井聡太竜王（22）＝王将など7冠＝に佐々木勇気八段（30）が挑む第37期竜王戦7番勝負第5局は28日、和歌山市の和歌山城ホールで2日目が指し継がれ先手・藤井が91手で勝利した。対戦成績を3勝2敗として4連覇へ王手。第6局は12月11、12日、鹿児島県指宿市の「指宿白水館」で指される。 藤井は雁木（がんぎ）で9連勝とした。初採用の22年1月の朝日杯こそ後手で敗れたが、以降9局は全て先手で勝利と戦型理解度の高さを示した。「緊張感があった」と告白した、14度目の7番勝負で初めて3敗する危機もひとまず回避した。 先に王手をかけて臨む第6局へ向け「今度は後手番になる。第2、第4局は作戦負けから押し切られた。序盤からうまく立ち回れるように」。中12日で秘策を練り上げにいく。 一方、4手目で角道を止め、雁木へ誘導した佐々木には前回後手番の第3局で採用した振り飛車も選択肢にあったという。「1日目に細かいミスがあったが自分には分からない。そのあたりが指し慣れてないところ」。不慣れな戦型を天王山で採用するしかなかった。「和歌山には初めて来たが、ほろ苦デビュー。また頑張りたい」と出直しを誓った。（筒崎 嘉一）
