EU、TikTokの調査開始 選挙介入巡る疑い
Philip Blenkinsop [ブリュッセル 17日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は17日、11月のルーマニア大統領選などで選挙介入を抑制しなかった疑いがあるとして、中国の字節跳動(バイトダンス)傘下の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」に対する正式手続きを開始した。 欧州委はTikTokに情報を要請し、政治広告や有料の政治的コンテンツへの対処方針、推奨を生成するシステムと操作のリスクに関しての情報を求め、調査すると表明した。正式な手続きの開始で、欧州委はさらなる執行措置が可能となる。手続きの完了期限は特に定められていない。 TikTokは、世界の150以上の選挙で自社プラットフォームの適正さを守っており、欧州委に広範な情報を提供してきたと述べた。有料の政治広告は受け入れず、誤情報やヘイトスピーチへの対処方針に違反するコンテンツは削除しているとも言及した。 欧州委は今月5日、違法コンテンツ対策の義務付けなど、大手ソーシャルメディアの欧州での運営を規制するデジタルサービス法(DSA)に基づき、TikTokに対し、ルーマニアの選挙に関連するデータの保存を命じた。 ルーマニアの裁判所はロシアによる介入疑惑が浮上したことなどを受け、親ロシア派の極右カリン・ジョルジェスク氏が首位になった大統領選の第1回投票の結果を無効とする判断を下した。 欧州委は、今月29日に始まるクロアチアの大統領選や来年2月のドイツの議会選への介入のリスクがあるとしている。フォンデアライエン委員長は、外国勢力がルーマニアの大統領選に介入したという重大な兆候があったため新たな調査を開始したと述べた。 欧州委がDSAに基づいてTikTokに実施する調査は今回で3回目。