デジタルアートで若年層の顧客を開拓 そごう・西武が百貨店で初のNFT取引業参入へ
百貨店大手のそごう・西武は6日、複製不能なデジタル資産「NFT(非代替性トークン)」の取引業に参入すると発表した。百貨店では初めての取り組みで、10日にNFTのアート作品を販売するサイトを開設する。同社の強みであるアーティストとの広いネットワークを活用し、新たにNFT作品を創出する機会を提供。他社にはない独自のデジタルアートを取り扱うことで、百貨店の利用機会が少ない若年層を取り込みたい考えだ。 立ち上げる取引サイトは「NFT PRODUCED by SEIBU SOGO」。第1弾として、水中写真家の鍵井靖章氏やポップなイラストで人気のMetaKozo(メタコゾー)氏など5人のアーティストが制作した約100作品を出品する。アーティスト同士がコラボレーションしたNFT作品など多様な作品を流通させることで、同サイトの魅力を訴求する狙い。 サイトは会員登録など必要なく利用できるが、取引はすべてイーサリアムを中心とした暗号資産(仮想通貨)で行われる。利用者は審査を得た上で作品を出品できるほか、出品された作品の購入や、購入した作品を他の人に販売することもできる。現時点で取り扱う作品の中心価格帯は3万~5万円で、同社は取引価格の8%を手数料収入として得る。 若者が集まる東京・渋谷の西武渋谷店の店舗でNFTアートの販促活動などを行い、「リアルとデジタルを融合させ、百貨店ならではの新しいNFTの価値体験をアーティストと顧客の双方に感じてもらえるようにする」(担当者)という。まずは実証実験として取引業をスタートし、さまざまな検証を踏まえた上で、約半年後をめどに本格的な事業展開を目指す。